徒手にて

 
 
 冬になり、街中の自宅の裏山からもマイマイカブリが出る事がわかった。
 そのうえ近所での個体変異が面白く、中には綺麗な青緑色の個体も混じるので、先日から追加を得ようと少しずつ掘ってみていた。
 
 近辺に転がる枯材にピッケルを振るうが、やはり山と街では虫のクセが多少違うものか、どうも当たりが無い。
 
 こうなると違う事がしたくなる。
 立枯れが隣の木の又に引っ掛かっているのを見つけ、これ全体をテコとして下から思い切り押し上げてやると、作用点となった引っ掛かりの部分から材が裂けた。
 
 
 
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 元より少し折れ曲がりかけた所から入り込んだものか、隙間にフカフカを詰めてマイマイカブリが入っていた。
 もう一頭一緒に入っていたのだが、折れ口が下向きなので落ちてしまった。
 
 
 
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 やはり眠いのか、じわじわと元の越冬窩へ向かう。
 
 
 
 
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 そして二度寝
 自分の臭いがするのか、割と迷い無く越冬窩に辿り着いた。
 
 
 
 
 
 暖かい日だったので、どの個体も動きが早い。
 すぐに落ち葉の下へ逃げ込もうとしたり。
 
 1~2月の寒い日だと、こうは動けない。
 
 
 
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 この個体はメスで、頭胸部の色が薄かった。
 最初は埃で白くなっているのかと思ったが、軽くクリーニングしてみてもやはり薄色。
 
 
 
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 前の記事に載せたものと同じ画像で、右端がこのメス。
 
 色は鮮やかな方が良いが、こうして変異の幅を拡げる個体が出てくれるのは面白い。
 
 
 
 
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 近くにある材は柔らかく、素手で割ってみるとマイマイカブリが出てくる。
 他にもアキタクロナガオサムシなどがいるはずだが、ここらからは一頭も出ず、マイマイカブリのみ。
 
 
 
 
 
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 頭胸部が濃い紫色のオス。
 前回のように鞘翅が明確な緑色を帯びるものは出なかった。
 
 今回は素手マイマイカブリが集められたので良かった。
 一方で、ピッケルを使って一頭も出なかった事は忘れよう…。
 
 
 
                                               2011年 12月  仙台市