恐怖速報

 
 ここのところ生き物の調査つづきで岩手に青森に秋田に新潟と海山を飛び歩き、インターネット環境そのものが無い所にいると更新もままならない。
 
 
 そうしていると、昨晩。
 
 福島のある人から電話で
 「 わかっているでしょうね 」
 と問われる。
 
 わからんね、と言って逃れると
 「 早く書きなさい 」 
 と物凄い勢いで迫られる。
 
 いやいや、山の中にテレビと電話はまずまずあるがネット環境がない、車もそれほど…
 「 じゃあ仙台に帰ってきている今なら書けるでしょう、書きなさい 」
 と、その人はあくまでも迫る。
 
 自分の虫採りなどろくにしていないので書く事そのものがあまり無いのだが、ここで少しでも書かないとまた怖いことになりそう。
 まず福島から強制的に届く便りが怖いのである。
 以下はその一部。
 
 
 
 
 
 
 
 その人は普段から携帯電話に怖ろしいEメール 『 大型速報 』 を届ける事によって私を煽情しまくってくれており、7月半ばまでの福島でこの凄まじい記録。
 相手も怖いし自分も正気を保つ自信がなく、以降はメールを開かないようにと思ったが、やはり気になって直接電話する時につい聞いてしまうと、
 
 などと相変わらず悪い夢みたいな事を毎度毎度言うので 御冗談でしょうなどと返していたが、先に書いたように久し振りに繋いだインターネットから彼の書いたものを読んだらとんでもない記事が目白押しになっていた。
 仙台の私が書こうが書くまいが、同じ東北の福島からあなたが大成果を報せてくれているんだから読む人にしてみれば同じ事でしょう、と食い下がってみたが
 「 それじゃあボクの張り合いがないんですよ! 」
 と電話の向こうから強烈な殺気を含んだ咆哮。
 
              福島の某氏
 この調子では恐怖のカシオペア速報が週報から日報になり、センチメンタルサマーの内角ギリを抉り込む熱い暑い採集記に蒸し殺されてしまうのも時間の問題だ。
 
 それでいま、こうして泣きながら書いているが、よく考えると今季ここまでにその人から届いた恐怖新聞を振り返っただけで、私は何も書いていないのである。
 それではまた来年、御機嫌よう。
 
 
 
         2014年8月 軽井沢にて   野生のクリームソーダを飲みながら
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                            福島のカシオペア
                            カシオペア
 じゃあちょっと虫の写真でも貼っておくので、カシオペアさん今日はこれで勘弁してください。
 
 
 
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 薄暗い林でマルバダケブキの花を巡回するカラスアゲハ。
 ストロボで止めているので、暗い中に木漏れ日の当たった部分の背景が少し透けている。
 
 
 
 
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 ナナホシ、には若干星余りのテントウムシ
 大河川下流では割と見掛ける種類 と先日調査で一緒になった先生に教わってから、前よりも数多く目につくようになった。
 
 
 
 
 
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 先生の後ろについて、津波被害の復旧工事が進む浜を進むとカワラハンミョウが湧いていた。
 携行する飲料も3ℓ欲しいような猛暑日だったが、夕方いくらか涼しくなるとこうして低く伏せた姿勢を取る事も。
 
 
 
 
 
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 7月26日に宮城県で採集したノコギリクワガタ
 ついているヤナギの木を見上げた時点で大きいのはわかったが、低い位置に群がるカブトムシから離れ、幹の高い場所にいたので降ろすのに苦労した。
 
 左顎折れ、右は無事かと思いきややはり欠けていて、元はもう少し良いサイズだっただろうだけにやや残念。
 まあ今季は福島で特大が2頭出ているし、いずれにしても騒げるほどのものではない。
 
 
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 それぞれ掘り下げる話があるし、他にもたくさん見て来たものはある。
 あるが、また今度、現代社会に寄る時に。
 書けと言ってもらえるなんてありがたいなあ というお話。