ニホンホホビロコメツキモドキ 宮城県

 
 これは9月22日の集まりで持っていた箱のうち、小さな虫が入っていたもの。
 展足の終わったミヤマダイコクやヨコヤマヒゲナガあたりを藤次郎さんの新箱に移し変え、空いた隙間をカナブンなどで埋めてある。
 
 
 当日は、遠くから駆けつけて下さったトモックさんが 「 お、標本だ。」 と言いながら箱を手にとって眺めていた。
 
 
 
 
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 ややあってから
 「 なんで、こんな虫が入っているの? 」
 とトモックさんが声をあげた。
 
 どれの事かと尋ねると、左下4番目の細長い虫。
 
 
 
 
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 寄って見るとこんな姿。
 ニホンホホビロコメツキモドキのメス。
 
 標本にする時、どうも頭が傾いているようで気になっていたのだけど、別に首が曲がっている訳ではなかった。
 
 
 
 
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 トモックさんが 「 メスの顔が左右非対称でね… 」 と教えてくれた通りで、そもそも頭部のセンターがズレているのだった。
 
 左のアゴが大きくて頬が膨らんでおり、これが 「 ホホビロ 」 の名の由来。
 虫も虫歯になるのか という顔。
 
 
 
 
 
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 こちらも同じ仲間の虫で、ルイスコメツキモドキ。
 
 遠くから見て、ピカピカのコメツキムシだと喜んで近寄ってみると、触角がコメツキとは違っていた。
 先にこれを見ていたので、少し後にニホンホホビロを見た時にも注意が向いたのだろう。
 
 
 
 
 
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 発見時の画像。
 はしゃいだデザインだが、同じコメツキモドキの類だという事はわかる。
 
 この時は顔が左右非対称の虫だとは思わず撮ったが、たまたま残した1カットが膨らんだ左頬側だった。
 片側いずれか という事ではなく、メスは必ず頭部の左側が発達しており、メダケなどに穿孔して産卵する際にこの構造が役立つのだと言う。
 
 
 私が近所で適当に採った虫を入れた箱に、西日本に多いこの虫が混じっていたのがトモックさんには意外だったとの事。
 これ以降は一頭も見ていないが、北は岩手まで記録があるようなので続けて注意したい。
 近くのタケやササに、独特の産卵痕でも見付かると面白いのだけど。
 
 
 
 
 2013年 ルイスコメツキモドキは    2013年 6月5日
        ニホンホホビロコメツキモドキは 同 6月20日 いずれも宮城県