賑やかな緑色

 
 
 少し前に富谷とか大和で採れたマイマイカブリをきちんと紹介しておらず、その前の近所で出たマイマイカブリもきちんと載せていないのだけど、また次のマイマイカブリが出てしまった。
 周りとの兼ね合いもあり、最新・近所のものを先にざっと紹介しておこう。
 
 
 昨日は 晴信さん にお声掛け頂き、将監の 「ラーメン一本勝BU」に於いて、写真・生物の大御所 トモックさん を囲んでのオフ会へ。
 ひささん夫妻、藤次郎さんと一緒に参加させて頂いた。
 
 トモックさんからお伺いする「業界」の方々や、全国各地の昆虫に関するお話は耳に新鮮!
 神話の登場人物や怪物伝説に等しいビッグネームの頻出に興奮した私は、麺とモヤシ、スープとヨダレの区別が付かない楽しき人事不省に陥った…。
 
 
 
 ややあって意識を取り戻した私は、やや陶酔気味の勢いのまま (脈絡無く) 翌朝ひささんと藤次郎さん、それに彼の甥っ子さんと一緒に御町内ピッケル隊を組織して、第2裏山へマイマイカブリを採掘に出掛けた。
 
 前の晩に降った雪が山の中にも思いのほか多く、ちょっとしたアップダウンでも滑って仕方が無かったが、ちょっとずつ良さそうな材が見え隠れしている所を一箇所ずつあたる。
 
 藤次郎さんと甥っ子さんが
 「この辺りどうかな」
 と材を起こしてどけたりしている所に追い着くと、その材の横腹に覗いた越冬窩にマイマイカブリがぶら下がっているのが見える。
 
 「それそれ、もう出てる!」
 「あっ!どっから現れた!?」
 という奇妙な発見ではあったが、とにかく一頭目が出て安心。
 これで保険が掛かった、と少し範囲を広げて思い思いの探索に。
 
 中空の立ち枯れや崖の肩などから少しずつ虫を追加し、適当な探検隊の割にはまあまあ採れたかな、と引き上げようとした辺りで、太い松を固めて倒してある所に出る。
 藤次郎さんが手ごろな一本の脇から皮を剥がすと、
 
 
 
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 ここから出てきたマイマイカブリ
 乾いた土付きで見づらいが、鞘翅は緑寄り。
 
 それなら、と近くの皮を剥がしに掛かった藤次郎さんが
 「イダーッ!」
 と言うので振り向いて見ると、確かに。
 
 
 
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 お見事。
 
 大きな越冬窩に複数のマイマイカブリが入っていた。
 やや下向きの所に入っていたため、剥がした厚い樹皮の方にそのまま付いてきたところ。
 
 なぜか入っていたのはメスばかりで、
 「 女子寮を暴いてしまった… 」
 と藤次郎さんが特殊な笑顔を見せるのだった。
 
 集まって入っているマイマイカブリに当たると、みな水滴で体が濡れている事が多い。
 やはり越冬場所を選ぶ際に、湿度は重要な条件なのだろうと思わせる。
 
 この隣1mのところで、ひささんが
 「 こっちも出たあ! 」
 と言うも、見ると集団越冬には違いないが全部クチキムシで確信犯。
 
 この2集団の差に藤次郎さんが爆笑している動画もあるが、当のひささんがバッチリ映っているので、ご本人の承諾が得られればそのうち当記事にでも追加したい。
 
 
 
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 例によってクリーニングしてみると、仙台の市街地としては綺麗な緑色。
 個体によっては、北へ30kmほど行った辺りのものより色味も光沢も強くなるから面白い。
 
 
 
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 同じように鞘翅に緑色を帯びたメス2頭だが、頭胸部の色はずいぶん違う。
 左の個体はオレンジ色が混じり、光沢そのものが燃えるように強い。
 
 右の個体は紫色で、青が混じり掛け。こうした色調の個体がここでは多いようだ。
 
 
 
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 前のプレーリードッグの記事にはやや北寄りで採れたマイマイカブリの写真を載せたが、今回のものも同じように並べてみた。
 手前列の右から3頭がオスで、左の1頭と奥列4頭がメス。
 
 右端のオスは体長28mmと極小。大きなクロオサムシと変わらない。
 オスだけでなく、メスにも緑色が出ていて賑やかだ。
 
 なんだか変異に節操が無いとしか言いようが無く、見れば見るほどよくわからなくなる。
 
 まあとにかく、複数の目で 「近所のマイマイカブリはよくわからないんだ」 という事を証明出来たのが収穫だろう。
 冬も楽しければ良し。
 
 
 
                                       2011年 12月17日  宮城県仙台市