賑やかな緑色
周りとの兼ね合いもあり、最新・近所のものを先にざっと紹介しておこう。
トモックさんからお伺いする「業界」の方々や、全国各地の昆虫に関するお話は耳に新鮮!
神話の登場人物や怪物伝説に等しいビッグネームの頻出に興奮した私は、麺とモヤシ、スープとヨダレの区別が付かない楽しき人事不省に陥った…。
前の晩に降った雪が山の中にも思いのほか多く、ちょっとしたアップダウンでも滑って仕方が無かったが、ちょっとずつ良さそうな材が見え隠れしている所を一箇所ずつあたる。
藤次郎さんと甥っ子さんが
「この辺りどうかな」
と材を起こしてどけたりしている所に追い着くと、その材の横腹に覗いた越冬窩にマイマイカブリがぶら下がっているのが見える。
「それそれ、もう出てる!」
「あっ!どっから現れた!?」
という奇妙な発見ではあったが、とにかく一頭目が出て安心。
これで保険が掛かった、と少し範囲を広げて思い思いの探索に。
中空の立ち枯れや崖の肩などから少しずつ虫を追加し、適当な探検隊の割にはまあまあ採れたかな、と引き上げようとした辺りで、太い松を固めて倒してある所に出る。
藤次郎さんが手ごろな一本の脇から皮を剥がすと、
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101052410.jpg)
ここから出てきたマイマイカブリ。
乾いた土付きで見づらいが、鞘翅は緑寄り。
それなら、と近くの皮を剥がしに掛かった藤次郎さんが
「イダーッ!」
と言うので振り向いて見ると、確かに。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101052420.jpg)
お見事。
大きな越冬窩に複数のマイマイカブリが入っていた。
やや下向きの所に入っていたため、剥がした厚い樹皮の方にそのまま付いてきたところ。
なぜか入っていたのはメスばかりで、
「 女子寮を暴いてしまった… 」
と藤次郎さんが特殊な笑顔を見せるのだった。
集まって入っているマイマイカブリに当たると、みな水滴で体が濡れている事が多い。
やはり越冬場所を選ぶ際に、湿度は重要な条件なのだろうと思わせる。
この隣1mのところで、ひささんが
「 こっちも出たあ! 」
と言うも、見ると集団越冬には違いないが全部クチキムシで確信犯。
この2集団の差に藤次郎さんが爆笑している動画もあるが、当のひささんがバッチリ映っているので、ご本人の承諾が得られればそのうち当記事にでも追加したい。
![イメージ 3](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101052430.jpg)
例によってクリーニングしてみると、仙台の市街地としては綺麗な緑色。
個体によっては、北へ30kmほど行った辺りのものより色味も光沢も強くなるから面白い。
![イメージ 4](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101052440.jpg)
同じように鞘翅に緑色を帯びたメス2頭だが、頭胸部の色はずいぶん違う。
左の個体はオレンジ色が混じり、光沢そのものが燃えるように強い。
右の個体は紫色で、青が混じり掛け。こうした色調の個体がここでは多いようだ。