背筋が凍る
最近は遠くに出掛けてマイマイカブリを探す事が多かったが、雪が多くてかなわない。
ちょっと近所を探してみようか、と馴染みの裏山を見てみる事に。
今期、近所のマイマイカブリを調べてみようと思う契機となったのが、この裏山で見付けた鞘翅に青緑色の出たオスだった。
もう少し数を揃えて色形を比較したいと思ってはいたのだが、こちらの捜索のピントがずれているのかここの虫の潜り方が変わっているのか、毎回あまり沢山は見付けられない。
今回は寒くて雪が残っていたが、これまでベタベタに湿って歩きづらかった場所が凍って足場が出来ており、その奥に入る事が出来た。
いかにも という朽材は多くないが、根付きの小さな倒木などを調べてみると少しずつマイマイカブリが出てくる。
この個体は頭胸部が紫で鞘翅は青緑色。
越冬窩中の湿気で濡れており、本来はもう少し明るい色をしている。
崖と材を交互に試してみるが、ここの崖から出るのはアキタクロナガオサムシばかり。
シュレだろうか、大きなアオガエルが出て来た。
越冬中だけあり、夏見る時のしっとり感は無くパサパサ。
背中を触ったくらいだと動かないが、持ち上げたらすぐに動き出す。
元の穴に埋め戻して、枯葉を沢山かけておいた。
少し場所を移すと大きな枯材が見付かる。
最初は凍死しているのかと思ったが、触ってみると生きており動く。
野外でマイマイカブリの腹側を撮る機会も少ないので、せっかくだからと一枚。
青と紫の金属光沢が表れている。
これが凍り付いていた背中。
別に傷が付いたりはしておらず、やはり綺麗な青緑色。
頭胸部の艶も強く、美しい個体だった。
左端は宮城県南部の個体で、この日見付けたのは右の3頭のみ。
また今期の最大サイズをこの大きなメスが更新。
アゴの扱いにもよるが、45mmに届くかどうかという所。
個人の記録とはいえ、近所の裏山からちょっと出た個体が二頭続けて最大サイズを更新するというのは奇妙で、昨夏の大きなノコギリクワガタが続けて採れた事を思い出す。
何しろメスはここで3頭しか出ておらず、そのうちの2頭が宮城県内各地で採れた100頭以上のどの個体よりも大きいのだから、ここの連中は遺伝的に大きな集団なのかと考えてしまうが、どうだろう。
信頼できる体長の平均値が出るくらいの数を揃えてみないと確かな事は言えないけれど、これでまた近所が面白くなった。
大きなメスの採集時の画像等については、容量の都合上後の記事に。
2012年 1月 仙台市。