Mカブリ雪中行軍

 
 
 雪がよく降り、また実際よく冷える。
 ニュースや新聞では 「 2000年以降 最大の寒波 」 などと騒いでいるが、山を歩くとそれも大袈裟ではないかも知れないと思わされる。
 
 そう思うからには大雪の中をたびたび山通いし続けていたという事であり、阿呆であり、つまり私の通常営業と言われて反論のしようも無いところ。
 
 私一人でやる分には阿呆の平常運転に過ぎないが、つい先日は業深くも藤次郎さんと甥御K太君を道連れにし、凍て付く山を探ってきた。
 
 
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 80cmほどの立派な氷柱が、沢の段差から下がっていた。
 普段の足掛かりも積雪で消えてしまい、ブーツが滑って仕方ない。
 
 毎度の事なので説明も要らないようではあるが、探しに来たのはマイマイカブリ
 いつものように虫の入り込みそうな材を探そうとするが、それ自体が雪の下に埋まり掛けていたり、またピッケルを打ち返すほどガチガチに凍った 「 モービルワン 」 状態になっていて思うようには行かない。
 
 
 
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 それでも絶好の材というものは一目見ればわかるもので、これをK太君に割ってもらうと大きなマイマイカブリが姿を現した。
 
 背が緑で脚が青く、間室の点線が鮮明。
 これはキタカブリ寄りのスタイルだ。
 
 
 
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 さすがのマイマイカブリも極寒で仮死状態かと思いきや、日が当たるとすぐに動き始める。
 
 この辺りのメスにしてはずいぶん緑色が強く、こうした綺麗な個体が見られればこそ、マゾヒスト的な寒中行軍も報われると言うものだ。
 
 
 
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 せっかく特徴的な個体が採れたので、軽くクリーニングして撮ってみた。
 
 これは上掲の個体。
 やはりキタカブリの血を強く受けたコアオマイマイという感じ。
 
 上に写っているのが、同じ日に藤次郎さんが急斜面を降り苦労して割り出した特大のメス。
 古い個体で頭胸部の色は褪せていたが、鞘翅に飛び火した美しい紫色は健在。
 
 
 
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 同日同地で採れたメス同士を並べてみたが、色はバラバラ。
 右端は立ち枯れに出来た隙間を下から上に向けて進入していた個体で、出て来た時は黒っぽかった頭胸部の色は、乾いてから青味が出た。
 
 左端の藤次郎さんが出した大型個体は、先日私がようやっと裏山から見付けて特大と称していた個体とほぼ同寸で、下手すると微妙に個人的最大サイズを更新されるかもしれない。
 マイマイカブリの最たる魅力は色彩だろうけれど、大きな個体には単純な迫力があって良い物だと思う。
 
 今期手付かずのポイントだったが、個性的なものが出てくれて楽しい。
 あとは雪の無い時にでもゆっくり探索させてもらいたいと思っているのだが、一体この寒波はいつまで続いたものだか…。
 
 
 
                                            2012年 1月28日   宮城県