豆ヤンマ

 
 
 「冬でも虫は見られる。」
 と見得を切って山に通うものの、このところやたらに雪が降る。
 雪が降る中を、それでも山に行くと、歩けないほど雪が積もってしまって文字通り立ち往生。
 
 晴れれば少しは雪も溶けるだろうと思って待ってみるが、積もった雪の上にまた雪が降ってやまず、自分が何を待っているのだか忘れる始末。
 
 寒さの程度は天の匙加減であり、人に何のしようも無い。
 せめて瞼裏に夏を。
 
 
 
 
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 湿地を歩くと小道をよぎるトンボの姿がある。
 これは昨年の初夏に見たサラサヤンマ。
 
 明るい場所では割合ダイナミックに飛ぶ。
 
 
 
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 こちらはさらに1シーズン前、2010年の個体。
 
 日陰をゆっくり飛ぶ時には、よく低い場所に止まって休憩している。
 同じ黄黒の取り合わせでも、大味なオニヤンマなどに較べ、大小の黄紋が並んだ繊細なデザイン。
 この更紗模様が和名の由来。
 
 
 
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 他のヤンマよりも空中停止の頻度が高く、撮りやすい。
 
 ただ邦産ヤンマ中最小の種であり、ターゲットそのものは小さいのも確か。
 下手するとオオシオカラトンボより小さい個体がいるかもしれない。
 
 その分だけ草木の込み入った暗い湿地も上手く飛ぶ 
 と言うよりも、こうした環境に用立てて小さな体を選び取った種類という事なのだろう。
 
 
 
 
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 サービス精神旺盛 と勝手に言わせてもらっているが、本当にいつも良い場所でポーズを取ってくれる。
 
 残念な事に、最近では本種の幼虫が成育するのに適した湿地が次々と拓かれてしまい、上掲の場所も風前の灯と言った感じだ。
 かわいらしい豆ヤンマの飛翔を眺めていたいという願いも、あと何年叶えてもらえる事だろうか。
 
 
 
 
                                              2011年6月29日 
                                       二枚目のみ2010年6月19日  宮城県。