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 動かざる事山の如し…。
 縞々の妙な山。
 
 
 
 
 
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 八木山の虎である。
 
 「 わざわざ見に行ったのに寝てばかりだったよ。」
 などという話も聞くが、この時は突如ムクリと起き上がって精悍な顔を見せてくれた。
 
 
 
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 ネコ科の連中は皆どれも格好良い顔をしているが、トラの表情はこの縞模様のコントラストによって別格にあると思う。
 この複雑で調和の取れた黒紋の渦形は、どうやって決定されているか不思議だ。
 
 単純に 「トラは縞模様」 とだけ捉えて油断した目でまじまじと見続けていると、そのうちに 「トラって、前から本当にこんな顔をしていただろうか…?」 などと違和感が膨れ上がり、もう初めて見る未知の動物としか思えなくなってしまう。
 
 
 
 
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 こう言ってはなんだが、これは悪い事を考えていそうな顔。
 「どの人間を喰ったら美味いかな…」 と思案中か。
 
 飼われてはいても、トラは他の動物と異質の緊張感を失わないようだ。
 例えば同じネコ科の猛獣であっても、動物園で見るライオンは 「飼われてます」 という顔をしているような気がする。
 
 
 
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 ガバッ!と立ち上がる瞬間に見せる動作や視線は華麗。
 
 どこにも澱みや引っ掛かりが無い、球が転がるようにスムーズな起立モーションなのである。
 
 
 
 
 
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 こうやってベロを出して寝ていたりすると、本当に可愛いのだが…。
 アゴの毛なんか柔らかそうで、手の甲を近づけてフワフワしてやりたくなる。
 
 
 
 
 
 
 
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 人間の身の安全が確保された動物園で見てさえ、本能的に危機を感じずには居られない。
 
 
 
 虎 でも Tiger でも、そうした名前が付く以前。
 まだ 「山の何か」 だったこれと遭遇した人の目に何が映っていたか想像しながら、しばし睨み合った。
 
 
 
 
 
 晴信邸 太陽光発電機構の稼動開始に寄せて
 
 
                                    2011年 10月23日  仙台市八木山動物公園