常温は氷点下
行く気がなかったというわけでもないのだが、今期はタイミング悪く寒波に当たってしまっている。
虫のためなら極寒に耐える事も吝かでないが、我慢で解決出来ない問題も。
ここしばらく寒波の出方を窺っていた所だが、すぐに雪が溶けて山歩きが楽になる様子も無い。
もう待っていても仕方が無いので、敢えて最高0℃の寒い日にキタカブリを見に出掛けた。
今回見たのは以前から目を付けていたエリア。
少し前には藤次郎さんが綺麗な若草色の個体を出していて、ここを基準に少しずつ移動しながら条件の良い場所を絞る事にした。
午前中から入った山中は寒く、所々凍りついていてブーツが滑る。
誰もいない静かな林間に、度々足を滑らせ短い叫び声を響かせながら歩くが、なかなか虫は見付からない。
マツの枯材など条件の良さそうな所を調べ、ようやくマイマイカブリの姿が と思ったものの、出て来たのは残念ながら死骸だった。
マツが駄目なら広葉樹である。
ここのマツは割と最近植えられたもののようで、山中でも比較的平坦な所を中心に見られる。
広葉樹が残っているのは植林しづらい場所。
つまり、凍った急斜面に張り付いて虫を探す事に。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101052950.jpg)
ようやく見付けた有望な材も、ガチガチに凍結していてピッケルを打ち難い。
部分的に柔らかい、と思った所からマイマイカブリが出始めた。
暗めの色で古いメスだが、やはり背中は緑色のキタカブリ。
大きな個体だった。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101053000.jpg)
こちらはオス。
背中の緑色が明るくてキタカブリらしい個体。
雌雄を比べると、オスの方が色鮮やかである事が多い。
珍しく材の折れ口に頭を向けて眠っていた。
材の繊維の隙間に氷の粒が光っている。
![イメージ 3](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101053010.jpg)
崖から生えた木に片手で掴まって体を支えながら、ガチガチの材にピッケルを突き立てるのは疲れる。
真冬日に数頭キタカブリが見られたし、もう良かろう と道まで戻り掛けに登った斜面で見付けたマツの切り株を一応チェックしてみると、大小の尻。
![イメージ 4](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101053020.jpg)
頭側を開いてみると、雌雄のキタカブリだった。
ここらのマツはあまり良くないかと思っていたが、重要なのは樹種より周りの斜度・湿度という事だろうか。
とにかく出てくれれば嬉しい。