若い興味の力 1

 
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 化石ゾウの骨格標本が出迎えるのは、仙台市科学館
 昨年のことになるが、科学館で開催された児童生徒理科作品展を見てきた。
 
 毎年面白い作品揃いなのだが、昨年はブログ閉鎖等の被害で記事を載せられなかったため、改めて2011年の分を少しまとめておこう。
 
 
 
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 佐倉田さんは大きな生き物マップを作った。
 
 身近な生物を地図上にまとめた作品はよく見掛けるが、このマップはよく見ると山や丘は一段高く、川などは低く掘り下げて地形を立体的に再現している。
 生き物たちも同種を複数・表情違いで描かれており、手書きの説明文中の種名が太字で見やすくしてあるのも偉い。
 
 
 
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 佐藤竜輔君のアブラゼミの研究。
 レポート文中にもあるが、こどもにとって家族の協力は百人力。
 
 もちろん実利も大きいし、自分の興味を後押ししてもらえているという事は精神的に大きな支えとなるだろう。
 
 
 
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 泥付きの殻から成虫が羽化するシーン。
 腹側の気門も含めた脱皮である事に注目しているようだ。
 
 図鑑等で見慣れたシーンではあるが、自分の目で見ると発見があるし、何より実体験の印象は鮮明に残る。
 
 
 
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 平君の標本箱には、立派なモンキアゲハが。
 
 他の子の作品にも何頭かモンキアゲハを見たので、仙台市内でも普通種として居座ってしまったようだ。
 以前は南方からの迷蝶扱いだった種で、隔世の感ありである。
 
 
 
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 こちらはもう少し前から見掛けるようになったウラギンシジミで、渋谷さんの箱に入っていたもの。
 毎年作品展を見ていると、こうした種が分布域を北上させている様子が見えて面白い。
 
 右上のオレンジ色はムモンアカシジミ
 
 
 
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 同じ箱には、拡大した白紋が美しい第一化のゴマダラチョウも入っていた。
 
 夏休みだけでなく、年間通じて山を見ている子の標本は層が厚いと思う。
 
 
 
 
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 渋谷さんの標本は毎年見ると思っていたが、小学一年生から中学三年の今年まで通算九年間の連続出品者だったのだ。
 
 こうした系統だった研究と、丁寧に造られた標本が両立している作品は貴重である。
 地元での継続的な調査の結果として完成している点も、大きな意味を持っていると思う。
 
 若くして十年選手というのは凄い事で、この先も興味が続いて欲しいものだ。
 
 
 
                                         2011年 10月16日  仙台市科学館