児童生徒理科作品展 仙台市科学館 3

児童生徒理科作品展 仙台市科学館 3
2010/10/11(月) 午後 1:39
 
   
 前の記事から続く。
 
 仙台市科学館に小中学生たちの自由研究を集めて、理科作品展が催されている。
 自分もこの作品展に出品していた事もあり、子供達が今年作った標本を中心に見に行って来た。
 
 
 
 
 
イメージ 1
 
 
 分けても磯野くんの標本は圧巻。
 ジョウカイボン、ハムシダマシ、カミキリモドキといったマイナーな微小甲虫をも網羅。
 
 
 
 
 
 
イメージ 2
 
 
 カナブン・ハナムグリコガネムシの類。
 背景の写真も他所から引っ張って来たのではなく、採集時に撮影されたもの。
 
 偉いのは、紫山近辺で採れた個体に限定してまとめている点。
 「 紫山 」 といっても、そういう山があるわけではなく、ごく普通の住宅地の名前なのである。
 小学生が街の学区内、せいぜい 「裏山」 といったような環境で、甲虫だけでもこれだけの種類を採集・整理しているのだ。
 
 
 
 
 
 
イメージ 3
 
 
 小さなヨツボシケシキスイも雌雄を区別してある。
 キマワリやエンマコガネ、コメツキムシが入っていて、画像の中ほどには先日も紹介したセンチコガネ。
 そしてミヤマクワガタやスジクワガタが入っている。
 大物とは言えないが、限られた行動範囲の中、子供自身の手によって得られたこの個体の価値は限り無く大きいだろう。
 
 
 
 夏の昆虫展などで、子供連れの保護者からよく受けた質問が
 「 どこに行けばクワガタやカブトムシが採れるか 」
 というようなもの。
 
 執拗な絡みは、処理に窮する場合もある。
 身内以外に採集地を明かさないというのは常識、不文律なのだが、人間の常識に期待出来る時代でもないという事だろうか。
 
 
 こう言っては何だが、そもそも動機やセンスなどの問題から言って、人から居場所を聞きさえすればクワガタやカブトムシが採れる、と思っている人に地名を教えてもやっぱり採れないのである。
 
 かと言って、「 この木一本 」 とまで特定して教えると、決まって根こそぎ採ったり、知り合いを呼んでゴミを捨てて騒いだり、木に傷を付けて樹液を枯らしたり。
 
 「 絶対に言わない。 」  「 見るだけ。 」
 などと言う人間ほど、以上のような傾向にあるものである。
 
 
 本当に生き物が好きで興味を持っている人というのは、その人がごく小さな子供であろうが、その場所が街であろうが、きっと生き物の姿を探しあてるものだ。
 
 また、生き物を探して山に入るという事そのものを楽しめるので、見付けられない事に焦りやストレスを感じず、未発見は発見への過程である事を理解している。
 そして徒に危険を厭うのではなく、それを避ける立ち回りを幼い段階から自然と身につけているので、「 あぶないから 」 を不精の言い訳にはしない。
 
 
 昨今、石を投げれば「自称 生き物好き」に当たると言われるくらいだが、一体どれほどの人数がその標榜に値するだろうか。
 興味の赴くまま、純粋に生き物を追い掛けて有意義な成果を残している子供達を見習うべきである。
 
 
 子供達の採集・研究に、どうか周囲の人の理解と自然の恵みの多からん事を。
 
 
 
 
                                2010年10月10日  仙台市青葉区  仙台市科学館。 
 
 
 
 旧ブログより↓  
 
こんばんは。

以前、一度コメントさせていただいことのあるisdsukeと申します。
毎回とても楽しみにブログ拝見させていただいています。

奄美では多くの人との出会いがあり、その方々のおかげで無事マルバネ、シカ、ミヤマ、ノコギリ、コクワ、スジブト、ヒラタ、ネブトを見ることができました。
スダジイの古木にマルバネが付くのを見たときは今までの人生で最大の感動でした!
自分の力だけでは絶対に成し遂げることのできない成果で感謝の気持ちでいっぱいです。
残念ながらカメラを買う余裕がなく携帯のデジカメでしか写真が撮れなかったのは悔やまれます。

さて、理科作品展ですが子供たちは本当にすごいですね!!
自分が小学生のころは、大きくて誰が見てもかっこいい虫ばかり追い求め小さくとも個性がある虫の魅力に気が付きませんでした。
今でも、有名な虫以外の知識に乏しく、今まで自分は何をしてきたのだろう、と恥ずかしくなります。

これからはこの子供たちのようにもっといろいろな生き物や自然に目を向け知識や感性を磨いて行きたいです!
2010/10/12(火) 午前 0:38[ isdsuke ]
 
 
こんばんは^^
最近は外産や雑種ヒラタは混じらなくなったんですかね。
かなり精神的ダメージを受けてしまう光景だったもので…。
捏造モノや事故モノが混ざらないよう配慮がされてきているならまた見に行こうかな^^
仙台西部の極一部ですが、雑種ヒラタ出ています。
来夏辺り、その後数年経過して帰化繁殖していないかを調査する予定。
私も以前「障害者を連れて行くので」という理由付けの上で、
必ずクワガタが採れる木を教えてほしいという件がありました。
健常者も障害者も関係なく、探し歩く行為こそ意義があるのでは?とお断りしましたね。
正直、そのダシを何度も使われ粘られ、腹立った^^;
これら標本を作り揃えた昆虫少年たちの未来に…
…理解ある彼女・嫁さんの存在があらんことを(笑)
2010/10/12(火) 午前 0:47[ Sakazuki ]
 
 
1、2、3と見て来て、本当に力作ぞろいでビックリしました。
最近『理科離れ』なんて声高に叫ばれていますけれども、研究家の卵達はまだまだ沢山いるようで安心しました。
僕は東京で育ったので、僕も周りの友達でも一夏にこれだけの数の昆虫を採集して来ることはまずなかったですね。
もちろん、昆虫を見つける為の"眼"を持っていなかったのも大きいと思います。
昆虫探しって宝探しというか、リアルポケモンゲームをやっているようで本当に楽しいです。
何か探していたムシを見つけると、「あぁ此処にいたか」っていつも感動しています。
しかも、ムシがそこにいるのはゲームプログラマーがそう決めたわけではなくて、自然がそのように決めたわけで、、、その仕組み等を考え出すと知的好奇心が無限に広がりますね。
2010/10/12(火) 午前 1:49[ Dobo ]
 
 
す!すごい!!いっぱい!!!
ちょっと、背中が、もぞもぞしちゃう、ポン母ですが、
特に、男の子達のとっては、目が輝く瞬間ですね。
ポチ☆
2010/10/12(火) 午後 3:09 ポン母
  
 
isdsukeさん、こんにちは。
木からマルバネを採って来たと?
何と言うか、凄い事やるなあ…。
期間の限定される採集で8種をやっつける事も偉業と言って過言無いでしょう。
トラップはよほど上手くかけないと虫種が偏るだろうし、夜のミヤマは付く木が高いし。
マルバネなんか、山を丸ごと知り尽くしてないとカスりもしないでしょうに。
奄美を1ラウンドで轟沈させたんだから、誇って良いと思います。
奄美はクワガタ以外の生物にも固有種が多く、またどの景観も絵になりますから、次の機会に備えて是非カメラを…。
荷物は増えますが、その負担を補って余りある充実を採集行にもたらしてくれるはずです。
2010/10/13(水) 午後 2:52 weaponshouwa
 
 
Sakazukiさん、こんにちは。
明らかに放虫を疑われる個体や、一箱すべてホームセンター物といった危ない作品は、さすがに減りましたね。
標本については、提出時に全個体の種名と採集データを添付しなければならなくなったようで、事前のチェックが楽になった事もあるかもしれません。
よその物、としての採集データさえ付いていれば問題無いんですが、宮城県のラベルが7cm大のヒラタに付いてると、もう。
確信犯ならまだ良い方で(良くは無いけど)、せっかく採った大物が放虫だと知って落胆する子供の事を考えると遣り切れません。
仙台西部でヒラタが…。
虫には悪いけど、絶えていて欲しいなあ。
その時に見つからなければ絶対にいない、とは限らないし。
また、障害者や子供をダシにした挙句に
「教えてくれないなんてひどい」
と被害者ヅラを決め込まれるのも迷惑の極みです。
良い親とそうでない親というのは雰囲気で区別が付くものだし、そもそも親が本気で子供を楽しませようと思ったら、親自身がもう少し努力しているはず。
そこを他人に頼り切り・丸投げというのは、保護者が被保護者を丸投げしてるのと同じですから。
もちろん、親が生物・虫をよく知っていて、相互の情報をやりとり出来るのなら構わないし、そういう人達も多いんですけどね。
自然と真剣に向き合えない人間は、子供との向き合い方もいい加減だろうというような気がします。
親への教育は手遅れにしても、子供の精神は渇き切っていないうちに、どうにか。
言いすぎだとは思いません。
私は、少ないながら各町・各学校に点在する、精神的孤児たちの知的探究心を満足させてやりたいんです。
2010/10/13(水) 午後 4:22 weaponshouwa
 
 
Doboさん、こんばんは。
私も小さな頃からチョウの標本をまとめていて、種類数や展翅・同定の精確さに自惚れていたりしたものですが、他の学年の知らない子が大きなミヤマクワガタをゴロゴロ入れた箱を見ると羨ましくて仕方なかったものです。
手足なんかグニャグニャに曲がった標本なんですが、チョウには無い鬼気迫る迫力に圧倒されました。
初めての種類との出会いは、何か有名人の実物を見るような感じですよね。
目にした瞬間から、却って実在が信じられなくなるような奇妙な感覚に囚われる事があります。
物理法則に由来するこの世界の実在そのものを壮大すぎるプログラムと考えると、人の創造物なんて高が知れてると思わないではいられません。
逆に考えれば、ゲームっ子にも遍く観察者の素養がある、という事になるかな。
2010/10/13(水) 午後 4:49 weaponshouwa
 
 
ポンさんのお母様、こんばんは。
確かに、野外ではこれだけ沢山、しかも種類カブり無しで一度に虫を見る事ってありませんからね…。
展示会場には出品者以外の子供たちも来ていて、完成度の高い作品の周りに集まって「すげえー!」と声を上げていました。
標本の出品者の名前を見ると、2割程度は女の子が混じっているのも印象的でしたね。
造りが丁寧で、綺麗な写真が付いているなど、作品に男の子と違った特長が出ていたような気がします。
大変だろうけど、高校以降も続けてくれると良いなあ。
2010/10/13(水) 午後 4:59 weaponshouwa