昼の星
明日は山形行きで、明後日は日蝕。
いずれも晴れれば撮り通しになりそうなので、今のうちにこれを。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101023320.jpg)
太白山のミヤマカラスアゲハ。
先の二記事に載せたナミアゲハ・キアゲハといった黄色いアゲハチョウや、近縁のカラスアゲハなどと一緒に山頂へオスが集まってくる。
休日に100円ショップの虫網を持った子供が登って来て捕まえているくらいで、採集は容易。
だが、寄って写真を撮ろうと思うと案外難しい。
山頂に集まって来る個体は縄張り争いの空中戦を展開するので、レンズの先20cmくらいからが勝負の魚眼には割り込む余地が見えないのである。
この時は黄色いアゲハチョウたちやカラスアゲハを撮り終えて下山する。
ミヤマカラスアゲハは諦めた…のではなく、本種は太白山周りの一帯に広く分布しており、少しはずれた低地のポイントを飛んでいる個体は落ち着いて吸蜜にくる。
それで毎年撮影は他のアゲハを山頂で、ミヤマカラスは下の広場でという事にしているのだ。
花には雌雄共にくるのも嬉しい。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101023330.jpg)
前にも載せたものだが、同じ太白山のミヤマカラスアゲハを。
これはよく見る感じで、典型的な太白山ミヤマの顔。
もっと後翅の帯が広いものも見る。
![イメージ 3](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101023340.jpg)
後翅の赤い弦月紋が青色鱗に置き換わろうとしているもの。
一頭目に較べると、羽根のシルエットが丸くて幼い印象。
標本はどちらもオス。
同じ場所で同じ時間に採れたものだが、柄には個性がある。
他種同様、夏にもミヤマカラスアゲハは派生するが、サイズが膨らむばかりで黒っぽくなってしまう。
目に鮮やかな金砂銀砂の輝きは、春ならではのものだ。
![イメージ 4](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/weapon-shouwa/20010101/20010101023350.jpg)
個性があるなら、今年の仙台から出たなるべく綺麗なものを見てもらいたい。
魚眼を使った山頂での飛翔写真はものにならなかったが、前記事のカラスアゲハ同様に美男を選りすぐる事にした。
今年からネット一式がカメラバッグの端に納まるようにと、もとから短かった柄をさらに短い伸長130cmに替えたために最初は少し感覚の調整に苦労したが、子供が100円網でスパスパ捕らえている事実をバネに発奮し、新しいスイング勘を掴んでミヤマカラスを採っては逃がし、採っては逃がし。
個人的に、この日最美の個体はこのオスに決定。
青色鱗が濃密で強く輝き、前翅亜外縁の帯に銀色が出ている。
こうした綺麗な個体に限って羽根に傷がある というのもよくある事で、羽根の完全な個体はどれも似たり寄ったりという所だった。
この太白山の 「太白」 は金星の古語で、そのむかし星が落ちて出来た山だ などという言い伝えが有名だが、なに。
こうしていまだに、昼間の星が降っている。