カブト回避

 
 クワガタムシを見るに良い時期はいつか と問われれば、
 「 夏休み!」 と即答したくなるところ。
 
 ところが、例年子供たちの夏休みが始まって真夏になると、全体的に見てノコギリクワガタミヤマクワガタといったクワガタムシの花形は、やや数が少なくなってしまうという事がよくある。
 
 これはノコギリクワガタミヤマクワガタが、樹液周りの格闘に関して圧倒的強者であるカブトムシの発生ピークにあたるこの時期を前後に避けているかららしい。
 この二度の発生を称して 「 一時発生 」  「 二次発生 」 などと言い、私が仙台辺りで見ている限りでは、それぞれ7月始めと8月半ばくらいがこれに当たるように思う。
 
 一時発生の7月始めではまだ夏休みが始まっていないし、8月半ばの二次発生となると お盆で集まった親戚たちと遊ぶのが楽しくて虫に構っていられず、はしゃぎすぎて溜まった課題の残りを消化していると、もう学校が始まってしまう。
 
 
 今年は季節の進みが遅いせいもあってか七月後半までカブトムシが増えなかったが、その後遅れてドッと出てきた連中が、お盆近い今になってもクワガタを圧倒し続けている場所が多いようだ。
 
 
 
 
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 それでもクワガタムシが見たければ、集落が近くて堆肥などからカブトムシが発生する場所を避け、もとからクワガタがメインの場所を探しておくと良い。
 
 先日から紹介している藤次郎さんの持ち場もそういう場所の代表で、夏はいつでも若いクヌギミヤマクワガタが寄り、少し前から二次発生が始まった。
 
 この日は暑く、小さな個体は細い枝の同じところを何度も登ったり降りたりしているものが多かった。
 少しでも涼しく過ごせる場所を探しているように見える。
 
 
 
 
 
 
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 大型個体は弱者を退けて居心地の良い場所を占有するのか、枝葉が混んだ日陰に樹液が染み出しているようなところに落ち着いている事が多かった。
 つまり、大きなものほど葉の陰にいて見つけづらく、撮りづらい。
 
 藤次郎さんは 「 ここもノコとかカブトが増えてきたなあ 」 とは言うものの、ポイントを一回りしても大量のミヤマの中にちょっと混じりけが出る程度。
 今期の前にポイントの北西側を伐った影響で、ミヤマ以外の種類も飛来しやすくなったようだ。
 
 
 
 
 
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 藤次郎さんの網にざっと放り込んだ個体を、ポイントの入り口近くで放す所。
 網の奥や周りの地面にも沢山いるが、各自各方向へ走ったり潜ったりするので全個体を収めるのはなかなか…。
 
 今期は二次発生のウェイトが重たいようで、数もサイズも順調に増してきたようだ。
 昨年並のモンスターに期待したい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 他の場所を夕方にちょっと見てみると、こちらでもノコ・ミヤマの数が回復していた。
 少し前にはカブトムシばかりだったので、やはりクワガタムシの二次発生が進んでいるのだろう。
 
 新しく見付けた場所でも同様に、ミヤマクワガタの大きなものが目立ってきて嬉しい。
 
 
 
 
 
 
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 カブトムシに邪魔されずにクワガタムシを見るためには。
 
 1.もとからカブトムシのいない場所を ( 頑張って ) 探す。
 2.早いとこ宿題を終わらせてしまい、お盆以降に ( 頑張って ) 夏休み終わりまで山に行く。
 
 という、身も蓋も無いガンバレ話になってしまったようだ…。
 私もまだ少しガンバってみようと思う。
 
 
 
 
 
                                                 2012年 8月  宮城県