夏のレイトショーへ
毎年8月5日には、仙台七夕の前夜祭として盛大に花火が上がる。
義蜂さん ( gibachinamazuさん ) が今回撮ってきた 素晴らしいカット を見せられ、夏の夜も良いものだとつくづく思った。
明るい真昼だけでなく、夜陰の濃密な暗さとのコントラストあってこそ日本の夏というものである。
普段は昼の山で甲虫を探す私も、ちょっといつもの場所が暗くなってから見てみようと思った。
日暮れから急に暗くなったいつものポイントを、ライト無しの手探りで時計回りに巡る。
樹が混み合った先の袋小路にあるヤナギに、大きなカブトムシがついていた。
角の構えや脚を拡げた様子など、他の大型個体ともちょっと違った雰囲気。
隣にいる小さな個体との対比もあって大きく見えるのかとも思ったが、サイズを測ってみるときちんと80mmを超えていた。
同じ樹の反対側には、こちらも大きなメスが。
両脇のメスと較べ、大きいだけでなく体色が黒っぽい。
今年のカブトムシの発生が進み、雌雄共に大型個体が出る時期に来たという事だろう。
私が見る場所では、どこでも夜になるとクワガタムシは少なくなる。
よそでは夜の方がクワガタは多く採れるとも聞くし、地域差もあるのかもしれない。
ここは大きなノコギリクワガタがコンスタントに見られる場所で、夜でも幾らか樹液に来ているのを見た。
ストロボ一灯で照らしてみたものの、素人業としてもあまりに酷い。
次に夜撮る時は、内蔵とリモート複数でもう少しきちんと撮るつもりなので御勘弁を…。
自分だけのポイントを持っている人なら、大きな樹の枝の分岐を利用して腰掛などを作り、日陰で飲み物を頂きながら昼過ぎ~夜まで夏の森の変化を眺めるというのも楽しいものである。
特に昼と夜で準備が変わる事は無いが、お子さんが一緒なら虫除けくらいはあった方が良いかも知れない。
私はカやブヨが寄らない便利な体質に甘えて用意無しにTシャツで歩いたりするが、昔ながらの蚊取り線香の携帯缶を腰から提げたら 「 日本の夏 」 の気分が出そうだ、などと考えたりする。
2012年 8月 宮城県。