同じ夏 同じ森で


2009/4/25(土) 午前 4:53
 
 
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 以前赤いアオカナブンを紹介した所で、2007年が虫の当たり年だったと書いた。
 この二頭のミヤマは、その白眉。
 一頭目は07年7月22日に採集。
 例によって、よく行くヤナギ林で出始めのミヤマを採りながらポイントの東側に進み、他より少し背の高い木まで来ると、近寄った振動が木に伝わったのか中型のミヤマが二頭落ちてきた。
 見上げると、3.5メーター程のその若木のてっぺん近くに、カブトムシのような丸い腹部が見えている。
 片手で木を押すと、湿った地面に「ベシャッ!」と大きな音をたてて落ちてきたのは、いやに太ったミヤマクワガタだった。
 採ったときから、かなり変わった個体だった。
 姿勢からして何となく妙で、頭部と胸部、腹部のつなぎ目の関節がやたら硬くて頑丈な感じ。
 九州の個体に似ているようだが、それとも違う。
 その年の出始めの個体にしては体毛が抜け落ち、前肢の外側の棘が磨り減って、アゴ先は欠けてしまっている。
 上翅の会合部や内歯など、特に光沢が強いはずの部分もツヤ消し状。
 越冬はしないはずだが、あまりに年季が入りすぎた印象であった。
 
 それ抜きで単にフジ型として見ても、アゴの湾曲や体幅の広さ、頭部前縁の盛り上がりなどは特徴的である。
 フジ型は黒い傾向でもあるのか、この個体も県民の森のフジ型と同じく黒い。
 アゴ先が折れてなければ、72ミリあったかも知れない。
 二頭目はこの一ヶ月後、同じポイントで8月21日に採ったもの。
 前に「遺伝的限界」で紹介した個体で、74ミリ。
 それぞれが付いていた木は数十メーターしか離れていないが、二頭のフォームはまるで正反対である。
 この場所のミヤマクワガタの体型に、何か一定の傾向でも見いだせればと思っていたのだが。
 正直、訳が分からなくなってしまった。
 
 採集日から見て、子どもたちの夏休みをよけた前後に、特に大きな個体が出るような気はする。
 子どもたちのおこぼれに預かっているだけなのかも知れない。
 
 
 
                                    2009年 4月25日
 
 
 旧ブログより↓
 
 コメント(4)
こんにちは♪発現型ネタですね♪
標本残したくなるくらいの個体はなかなか採れないですねぇ^^;
画像の個体は仙台圏では素晴らしいものだと思いますよ。
ミヤマの発現型は不思議ですよね。遺伝や大きさには因らない。
かといって、幼虫期の積算温度にも傾向は見られるが一定ではない。
同所的に、経年とともにエゾ型からフジ型に主構成がシフトしたり。
もちろん、混在していたり。アゴだけじゃない体型でも。
蛹化する前段階までの間のどこかに、発現型を決める要因はある。
それは温度と関係していそう…。その程度で、それ以降進めない。
これを解決するには緻密で膨大なサンプリングが必要でしょうね…。
宮城のミヤマは、ブナ帯方面では6月上旬には出ています。
その年の気候次第ですけどね。下手すりゃ5月下旬には出ちゃう。
7月下旬で擦れ個体になってしまうこともあると思います。
早く出るほど樹液は少なく、必死に探し求めた結果、スレちゃう。
そんな個体かもしれないなぁと思いました^^
早く夏になってほしいですね♪
2009/4/25(土) 午前 11:16 gibachinamazu
 
けっこぅ大きい@@;)こんなおおきかったでしたっけ??
ダイエ-で見かけるこたちは・・・・もっとちいさかったような・・・
2009/4/25(土) 午後 0:26 ヒル乃ヨル姫
 
 gibachinamazuさん、こんばんは。
 さすがナイターの手練れ。県内でも早くにミヤマ採れるんですね。
 画像のフジ型も、やはり早出だったんでしょうか。
 木登りミヤマなんて言いますが、5・6月に早出のミヤマがボーっとしていると聞きますよね。
 先に同じ樹から落ちてきた2個体が微毛の揃った新成虫だったので、
「デカい1頭だけ老けてるな…」
 と強い印象を受けました。
 
 アゴ抜きのサイズは74ミリの個体を若干上回るので、そのうち良いとこ取りの大ミヤマが現れるだろう、と誇大妄想を温めています。
 
 発現型については、もう迷宮入りですね。
 卵期の温度でタイプが決定する虫もいると言いますが、ミヤマはそんな感じじゃないしな…。
 また、どの本を見ても、単純なアゴ3型の話に終始してる感があり、はっきり言って不満です。
 耳状突起の形や全体のシルエット、各部の比率に目を向ける人が、もう少しぐらい増えても良さそうなもんですが。
 個人的には、ビークワのオオクワガタ美形コンテストの隣で、ミヤマのコワモテ大会でも始めたら刺激的だと思います!
2009/4/26(日) 午前 2:53
 
 ヒル乃ヨル姫様、こんばんは。
 ダイエーミヤマクワガタを売ってましたか!?
 カブトムシは割に見ますけどねえ…。
 クワガタもカブトムシも、同じ種類の中でも極端な大小の差が出るんですよね。
 私は物事の限界が気になってしまうたちなので、毎年夏には山をさまよって大きなクワガタを探してしまいます。
 病的な驚きたがり、という事で言えば、自分自身が人間の限界近くをさまよってるのかも知れませんよね…。
2009/4/26(日) 午前 3:07