クワガタ果樹園

 
 
 
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 珍しくコナラの樹液を吸うアカシジミ
 
 ここは藤次郎さんが連れて来てくれた宮城県南部のポイント。
 遠目に何の変哲も無い山なのだが、彼が強烈に推薦するからには何か変わった場所には違いない。
 
 
 
 
 
 
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 よほど樹液が美味いと見え、アカシジミは動かない。
 若く低い樹でずいぶん枝が混んでいるが、一応魚眼を出しておくか などとやっていると、藤次郎さんが少し上方奥の枝に何か甲虫の姿を発見。
 
 「 もう出てるじゃない。 」 と嬉しげな声。
 
 
 
 
 
 
 
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 細い枝で樹液を吸っていたのはミヤマクワガタ
 蔓が擦った部分から、少しずつ樹液が染み出しているらしい。
 
 ここは藤次郎さんが夏の切り札としているポイントで、ミヤマクワガタばかり集まる山なのだった。
 
 
 
 
 
 
 
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 枝が細すぎて、少しつかまりづらそう。
 
 ここは変わったポイントで、道の両脇に若いコナラの樹が延々続いており、その細く混んだ枝々にミヤマクワガタが集まる。
 盛期にはクワガタ果樹園のような有様で、アスファルトで舗装された道路を歩きながらクワガタ摘みが出来るのだから、他のポイントでの事を考えると楽すぎて申し訳無いようなものだ。
 
 
 
 
 
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 面白いネジレ顎の個体。
 蛹化時に蛹室が崩れたりしたのだろうか。
 
 この場所を長く見ている藤次郎さんは、やはり目が早くて先にクワガタを見つけてくれる。
 私は普段見ているポイントと勝手が違い、背丈ほどの低い樹に集まるミヤマクワガタのイメージを掴むのに難儀する。
 
 ここでは70mmを超える大型のミヤマクワガタが複数記録されており、昨年の特大個体には大いに驚かされた。
 
 「 なにしろ小学生でも簡単に採れるんだから。 」
 と藤次郎さんは笑って言うのだった。
 
 こういう 「 あの場所に行きさえすれば絶対採れる。 楽して採れる! 」 という独占切り札的ポイントを持っていると、他の場所での過酷なクワガタ探しにも精神的保険が掛かり、つまり夏が楽しくて仕方ないという事なのである。
 
 藤次郎さんの甥っ子さんが今年もまたバカデカいミヤマクワガタを捕まえて、
 「 こいつ、ちょっと大きめかも。 」 などと事も無げに言ってくれそうで、今から怖い。
 
 
 
 
 
                                                 2012年 6月   宮城県