春のスタート、それは花見ではない。
風が強く、黙って立っているとまだ寒いくらいだったが、春らしいものが出ていた。
カタクリの花は全体の約半数が咲いており、日向の小さな株から開花しているようである。
沢山ではないが、数頭が交替で飛んでいる。
平年より発生が遅いようだ。
サクラの遅れを全国で聞くように、今年は何でも遅出の春となっているらしい。
頻度は高くないが、低く飛んでいるところを眺めていると、雑な降り方で花にすがってぶら下がる。
近寄って撮ろう思うのだが、どの個体も一株当たりの吸蜜時間が短くすぐに飛び立ってしまう。
普段だともう少しゆっくり撮れるような気がするのだが…。
風が強く花も揺れていたので、落ち着いて吸蜜する気分でもなかったのかもしれない。
しばらく
ヒメギフチョウが飛ばない時間帯が続いたりするが、風が止んでしばらくするとどこからか出て来てフワフワと飛び始める。
右がメスで左がオス。
日が照って気温が上がってからの交尾は、早いと20分程度で済むようだ。
昨年の寒い曇りの日に見たペアの交尾は暗くなっても終わらず、恐らく翌朝まで繋がったままだっただろう。
ベースの縞模様に赤・青・橙と、これだけ目立つように見える
ヒメギフチョウだが、この時期の林床に敷き詰められた枯葉に紛れると、一度目を離したら最後どこにいるのか判らなくなってしまう事が多い。
春山の一部として命を繋いで来た種だけの事はある。
仙台のサクラはまだ咲かないが、春はスタートを切っている。