山形のギフチョウ

山形のギフチョウ
2011/5/19(木) 午後 6:59
 
   
 一年一度、春だけに飛ぶ原始的なアゲハチョウのグループがある。
 
 Luehdorfia属 と呼ばれるこの一群のうち、日本には
 ギフチョウ Luehdorfia japonica と
 ヒメギフチョウ Luehdorfia puziloi の2種が分布している。 
 
 我が仙台で見られるのはヒメギフチョウの方で、ギフチョウよりも一回り小さく色調もやや控えめ。
 こうなると当然、大きくて色鮮やか 個体変異も大きいギフチョウを見たくなる。
 
 宮城県ギフチョウは分布していないが、お隣の山形県には両種ともに生息し、ルードルフィアラインと呼ばれる分布の境界線上には、混生する産地もあるという。
 
 先5月5日はこのギフチョウ目当てでSaitouさんに山形へ連れて行って頂いたが、チョウの発生具合・天候ともに芳しくなかった。
 (春の進みの遅かった今年は、こういう事が良くあった。)
 
 そして18日になり、遅い春とはいえ もうそろそろ良かろうと再び山形へ。
 
 前回は秋田県境寄りを見たが、今回はずっと南。
 新潟に入る少し手前の小国町へ。
 
 サクラの若木に目を付けてギフチョウを待つ。
 
 
 
イメージ 3
 
 
 18日はよく晴れ、たくさんの個体が訪花する。
 ここには高さ3メートルほどの小さなサクラの木が数本密集しており、大概は枝が混み入った所にギフチョウが集まってしまうのだが、時折は気の良い個体が目の前の花まで回り込んで来て吸蜜してくれた。
 
 
 
 
イメージ 1

 
 珍しく オスが並んで吸蜜。
 
 地面からすぐに分岐する変わった枝振りの木で、細く混んだ枝を縫うようにギフチョウが器用に飛んでいた。
 
 
 
 
イメージ 2

 
 はばたきながら花を渡って吸蜜している事が多いが、気に入った花に当たってか静止して花に顔を埋める姿も。
 
 ギフチョウがサクラの花に来ているのを見ると、ちょっと不思議な気持ちになる。
 
 仙台で見るヒメギフチョウは緩く這うように飛んで、カタクリなど小さな草花で吸蜜しているものだ。
 虎模様のルードルフィアが 「木に来ている」 という事が、私などには新鮮に思えて仕方が無い。
 
 
 
 
イメージ 4

 
 雪の溶けた場所から順番に発生するため、同じオスでもこうして少し色褪せたものと 羽化直後でピカピカの個体とが同時に見られる。
 
 そもそもサクラがこの時期に 咲き掛け~満開の状態にある事が驚き。
 
 残念ながら雪上を飛んでいるシーンは撮れなかったが ( 追い掛けたら雪に足が埋まった )、続く記事でもう少しギフチョウを紹介したいと思う。
 
 
 
                                  2011年5月18日  山形県西置賜郡 小国町。 
 
 
 
 
 旧ブログより↓
 
小国町には、飯豊温泉や泡の湯温泉に訪問した
ことがありました。
あの界隈では、こんな蝶に出会えるんですか!!(ポチ)
2011/5/19(木) 午後 8:50 東北の温泉バカ
 
 
ついに出会えたのですね。
そして桜の木とは思っていませんでした。
中野ブロードウェイの古本屋で今週買った昆虫図鑑に、分布の境界線があることが書かれていました。
実に美しい蝶ですね。
2011/5/19(木) 午後 10:13 ひさ@くわがた
 
 
桜の花にチョウが乱舞、というだけでも仙台付近じゃ珍しい気もしますね。
桜に青空という組み合わせにプラスでギフチョウ。素敵すぎる。
2011/5/21(土) 午後 10:37 gibachinamazu
 
 
桜に・・・なんとも贅沢なショットですね。
こちらはすっかり夏のような雰囲気で・・・この記事を見たら時間が戻ったような気がしました。
素敵ですね。ポチ☆
2011/5/21(土) 午後 11:34 えみこちょ
 
 
Kenさん、こんばんは。
仙台で見られるヒメギフチョウも可憐で魅力的な蝶ですが、私をはじめ蝶をやっている人間からすると、やはり本家はギフチョウという事になりますね。
赤青黄橙黒と豪華な五色の取り合わせと、ヒメギフに比べて一頭ごとの斑紋の変化が幅広い事が魅力でしょう。
仙台にもいれば良いんですけどねえ…!
2011/5/22(日) 午前 1:16 weaponshouwa
 
 
ひささん、こんばんは。
いる所にはうじゃうじゃいる蝶ではあるんですが、今年に限っては「ついに」と言いたい所ですね…。
本当に都合良く、良い場所に良い高さで生えててくれたサクラに感謝です。
普通の高さの木じゃ、ボケるか逆光かでしょうから…。
二種のギフチョウが、日本列島成立の過程を読み解く上での鍵を握っていると思うんですよねえ。
2011/5/22(日) 午前 1:31 weaponshouwa
 
 
義蜂さん、こんばんは。
写真集なんかじゃサクラにギフチョウってよく見るんですけど、どこか出来すぎている夢の光景という感じで、実際に目の前で見られるとは思っていませんでした。
これに天候も味方してくれて、青いバックにギフチョウを抜けたり、言う事ありません。
前回死ぬほど寒かった分 という事かも知れませんが…。
仙台だと蝶はあんまりサクラに来ないような気がしますね。
太白山頂で1mほどの小さなサクラにキアゲハが来ていたぐらいで。
土地ごとに チョウが求める花の種類が遺伝的におよそ決まっていたりしないんでしょうかね。
2011/5/22(日) 午前 1:49 weaponshouwa
 
 
えみこちょさん、こんばんは。
本当に大金積んでも惜しくない 贅沢なロケーションに当たって幸せでした。
いくら豪雪地帯とは言え、もうサクラなんか葉だけになってるんじゃないかと思っていたので、喜びながら驚いて感情が繁忙しましたね。
戻ってきたら今度は夏日の連続で、今年の天地には振り回され通しです…。
2011/5/22(日) 午前 1:55 weaponshouwa
 
 
桜とギフチョウとても美しく惚れ惚れしますね~。
私もこんな写真撮りたいです。
2011/5/22(日) 午前 7:37[ h31377 ]
 
 
h31377さん、こんばんは。
サクラだけ、ギフチョウだけでも文句無いモデルですが、うまい事これを両得出来たのは運が良かったとしか言いようがありません。
せっかくの被写体に腕が追い付かないのがアレですが…。
思ったよりも現地にカタクリの花が少なかったので、サクラには本当に助けられました。
2011/5/23(月) 午前 1:44 weaponshouwa