命の杭

命の杭
2010/9/25(土) 午後 8:29
 
   
 先月、夕方まで一通りクワガタを探し回って引き上げる途中、目の前の泥濘を何かが横切って飛んだ。
 
 
 
 
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 暗い中にオニヤンマの黄色い縞が浮かぶ。
 林道を数多く行き来しているオス達に較べ、一際大きなメスである。
 
 
 
 
 
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 しばらくの間、羽根を草に引っ掛けながら、何か探すように低く飛んでいたかと思うと、少し水面の開いた所で突然体を垂直に立てる。
 
 
 
 
 
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 全体重を掛けるように、尾端を思い切り水中に突き刺す。
 オニヤンマの産卵行動だ。
 
 羽根が草に触れ、バリバリと音を立てる。
 
 
 
 
 
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 「 ドスッ、ドスッ 」
 と、1秒間に2回程度のペースでリズミカルに卵を産み付ける。
 
 突き刺す回数は、一箇所につき10~15回ほど。
 一刺し一卵ずつなのかどうかは定かでない。
 
 
 
 
 
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 尾端の太く鋭い産卵管が目立つ。
 
 広い池で産卵する種類がゆっくり産卵するのに較べ、オニヤンマの産卵はずいぶん小出しに思える。
 
 オニヤンマの産卵場所は、比較的水深が浅くて狭い場所である事が多く、一箇所の産卵数が多すぎると餌不足で幼虫達が共倒れになるため、少しずつ複数箇所に分けて産むのかも知れない。
 
 実際の産卵数を調べて比較したわけではないし、単にオニヤンマ科とヤンマ科の習性の差という事かも知れないけれど。
 
 ギンヤンマやルリボシヤンマなど、大型のトンボの大多数はヤンマ科。
 同じオニヤンマ科の種類というとミナミヤンマやカラスヤンマだが、いずれも南方寄りの種類で近所では見られないし、そのうち各種の産卵行動について調べてみたら面白そうだと思う。
 
 
 
 
 
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 全身を杭にして、次の命を打ち込んでいった。
                                             2010年8月15日  宮城県。 
 
 
 
 旧ブログより↓
 
こんばんは^^
昔の実家は土手の下に位置していたので、庭に湧水の池がありました。
その池から近所の小川に流れ出る細い水路にオニヤンマが毎年出てて。
産卵シーン、羽化シーン、水路を探せばいろんなヤゴが埋もれてて。
楽しかった思い出がフラッシュバックする画像の数々です^^♪
そういう立地だったので、昔の実家の屋内はオニヤンマの飛行ルートと化してました…。
2010/9/26(日) 午前 0:03[ Sakazuki ]
 
 
そう言えば、先週の奥武士でこの姿を見ました。
羽の音が凄かったので、何事かと思いましたね。
2010/9/26(日) 午前 7:42 東北の温泉バカ
 
 
(´・ω・`)…何時も同じルートを
通るので採集しやすかったです♪
ルートにしゃがんで待ちかまえる・・・・(笑)
2010/9/26(日) 午前 8:35[ ひろ1号 ]
 
 
大きなオニヤンマともなると、まさに杭を打ち込むかのようなんでしょうね。
写真も見事ですが、文才もお見事ですね。
今日小さな(3cmくらい)カマキリを見ました。
最初、蛾かなんかが飛んで来たのか?と思ったくらいで、
まさかカマキリだったとは。よく飛び回るカマキリでした。
またUPしますので、名前など教えて頂ければと・・・。
2010/9/26(日) 午後 7:27[ しんさん ]
 
 
貴重なシーンですね。
身体をこの状態にしておくのは、大変な作業なのでしょうね。
ポチ☆
2010/9/28(火) 午後 3:35 ポン母
 
 
Sakazukiさん、こんばんは。
オニヤンマのヤゴは、図体がデカい割に小さな流れに沢山いたりしますね。
食い物が変わってたりするのかな。
よく家に入ってくるから 「ドロボウヤンマ」 の別名があるらしいですね。
一番町なんかでも広瀬川から飛んで来た個体がアーケードを往復していたり。
夏の子供の良い遊び相手という感じがしますね。
また来年ですが。
2010/9/28(火) 午後 8:26 weaponshouwa
 
 
Kenさん、こんばんは。
トンボの羽根なんて薄くて頼りないイメージですが、実際は頑丈で軽量の優秀な素材ですね。
ヘリコプターでも機体を垂直に立ててホバリングなんて出来ませんし、小型化にも限界があるし。
泥水からオーバーテクノロジーが生まれてくると思うと、ドブ川・虫けらと言って粗末には出来ませんね。
2010/9/28(火) 午後 9:10 weaponshouwa
 
 
ひろ1号さん、こんばんは。
虫採りを覚え、網を持って歩くようになった子供の最初の目標が、大体オニヤンマ辺りでしょうね。
スピード・軌道が手ごろで、網に入った時の手ごたえが大きいから、仕留めた喜びを味わうに格好の相手。
ギンヤンマに挑戦するためのステップボード、と言ってはオニヤンマに失礼かな…。
2010/9/28(火) 午後 9:31 weaponshouwa
 
 
しんさん、こんばんは。
思いの他杭打ちのペースが速くて、初めて見るとちょっと驚きますね。
メスの産卵管は槍のような造りになっていて、泥中への産み付けに適応している感じがします。
私もヒメカマキリ見てみたいんですが、北限が京都辺りだと聞くので、仙台で見るには余程温暖化が進まないと…。
小さいから、アリなんかを餌にして飼えないかなあ。
2010/9/28(火) 午後 10:01 weaponshouwa
 
 
ポンさんのお母様、こんばんは。
他のヤンマが水平にとまるのに対し、オニヤンマはぶら下がってとまるので、いくらか垂直姿勢には慣れているのかな(そういう問題でもないか)。
産卵時の姿勢維持もそうですが、産卵場所を探して草の間を縫って飛ぶ技術は大したもんです。
広い場所でスピード出すだけが能じゃないんですよね。
2010/9/28(火) 午後 10:27 weaponshouwa