産卵未遂 ヒメギフチョウ

産卵未遂 ヒメギフチョウ
2010/4/29(木) 午前 2:19
 
 
 4月20日は遅めの出撃となり、途中からは雲も多くなって気温が下がってしまう。
 それでも帰り際に一頭、メスのヒメギフチョウを見つけたので追跡してみた。
 
 
 
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 交尾済みだが新鮮なメスで、すぐに産卵が見られるとは思わなかったが、なんとなく「産みたそうな飛び方」をしているように感じたので追うと…
 
 
 
 
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 一株のウスバサイシンに執着し、尾端を曲げて産卵する素振り。
 
 
 
 
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 今にも産みそうだが、なぜか尾端を曲げ伸ばしするのみ。
 
 
 
 
 
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 飛び去るでもなく、産卵を始めるでもなく、このままの状態で数分経過。
 
 
 
 
 
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 結局は葉の上に登って来て、そのまま斜面の上に飛び去ってしまった。
 
 食草にとまりながら産卵に至らなかった原因としては、幾つか考えられるが。
 一つは、急に気温が低下した事。
 もともと産卵は気温の高い時間帯に観察される事が多いが、この時は夕方になって急に曇り、寒くなってしまった。一定の暖かさが母蝶に「産む気」を起こさせるとすれば、寒くなった時に産卵行動がストップするのは自然だ。
 
 また、羽化後間もないために、産卵の準備が整っていなかったのかも知れない。
 交尾済みのメスでも、羽化から三日ほどたたないと産卵できないらしい。
 逆に未交尾のメスであっても、食草に触れて尾端を曲げ、産卵の真似だけをする事があるとも聞く。
 
 
 それから、食草であるウスバサイシンの株が古かった事もありそうだ。
 過去に見た産卵シーンで、母蝶は開ききらない若いウスバサイシンの葉を選んで産卵する事が多かった。
 触ってはみたものの、葉の鮮度が気に入らなくて産卵を中止したという事はありそう。
 
 何の気無しに見ていると、産卵を見る機会もそれほど珍しくない。
 しかし写真を撮ろうと構えている時には、案外と上手く行かないものだ。
 
 
 
 
                                              2010年4月20日 仙台市泉区。  
 
 
 旧ブログより↓
  
こんばんは^^
クワガタの雌も、産卵するときに産卵器官で材の感触を確かめるような…。
産卵なんて、その個体には経験則も無いに等しい行為ですが、
本能というか遺伝子の記憶が「産卵すべきではない」と判断するんでしょうかね。
これだから、昆虫を観察するのって面白いんですよね^^
2010/4/30(金) 午前 0:21 gibachinamazu
 
 
義蜂さん、こんばんは。
産めるのになぜ産まない?と言いたくなるんですが、おそらく母蝶なりに何かを判断し、ストップを掛けているんだろうと思うんですよね。
その場で産卵は出来ても、その後飛び去るだけの体温を保てないくらい寒くなりそうだ、と予感してるとか。
アバウト、気まぐれにやってるようで、実は計算式が成立するような厳密なシステムが機能していたら面白いと思います。
気温の予想下降線が、卵塊一つ作るのに掛かる時間以内に一定ラインを割り込む所に来たら…という感じで。
そうなると、ギフとヒメギフの差が気になる。
同じヒメギフでも、同一個体群だと考えられていたものが、産卵行動で二つ以上に分けられたり。
誰かやらんか…。
2010/5/2(日) 午前 0:30 weaponshouwa