視界の中 意識の外
連休に連戦 とはいかなかったが、また少しヒメオオ・アカアシクワガタを見に高い所へ出掛けた。
さすがシルバーウィークと言うだけあって、網を持って道路沿いのヤナギをチェックしている人達がおり、いつもクワガタの付いている目立つヤナギには虫影が見えない。
これで同じ場所、同じ樹種に狙いを付けても仕方が無い。
もちろんヤナギは見ながらだが、思い切って普段見ないような場所を重点的に眺めてみる事にした。
ヤナギとは別の木を見上げると、高い幹にクワガタの姿。
こうして見ると明らかにヒメオオだが、300mm望遠~トリミングでようやくこの大きさである。
実際には8mほどの高さ、何か黒い物が突き出ているとしか見えない。
枝に懸垂して木を揺らすと、このヒメオオクワガタが落ちて来た。
すがっていたのはハンノキらしい。
このアゴに付いた齧り屑から見ても、たまたまついていたのではなく、この木を喰っていた事は間違いなさそうだ。
左側の内歯が欠けているが、堅い所をかじったのだろうだろうか(よく見ると、上の写真でも歯が欠けているのがわかる)。
少し低い別の枝にも虫影。
体が厚い。
これもヒメオオだろう、と落としてみる。
見上げた時には大きく見えたが、50mmを少し超える程度。
それでも今年のトップだから嬉しい。
丸々と太っていて、数字以上の存在感があるように思う。
この辺りで見る典型的な大型の顔で、アゴの先端近くがガクッと湾入している。
やはりアゴには樹皮を齧った屑が付着。
少し前から小さなハンノキなどに付く個体を見掛けてはいたが、これで宮城県でもヒメオオクワガタがヤナギ以外の木を齧っている事が確認できた。
少し場所を変えて人を避けると、ヤナギの木にもいつも通りヒメオオクワガタが付いている。
これもオス。
今年 私が見た日毎のヒメオオ性比は
1 6♂1♀
2 4♂6♀
3 8♂1♀
といった様子で、やはり目に付くのはオスが多いようだ。
重たい望遠付けたカメラで高い所ばかり見上げていると、5分くらいですぐに首が痛くなってくる。
ヒメオオ・アカアシ痛とでも与名したい。
同じ個体をそのまま限界までズーム。
折れた枝の付け根 という一番美味くなさそうな所にしがみついているのが不思議なようでもあるが、一つ前の画像左上の折れ口にはヒメオオの齧り跡らしい赤茶色が見える。
新鮮な折れ口は吸汁しやすいのかもしれない。
これも大きく見えたが、落として測ってみるとちょうど50mm。
本来は喜んで良い良型だろうけど、なぜか今年は大型と見える個体が申し合わせたように50mmでストップしてしまう。
贅沢と承知しながらも、 「普段見る大きめ」 というサイズから2~3mm抜けてくれないと、その年の区切りが付いたような気になれないような気がする。
こちらは大き目のアカアシクワガタ。
私の胸ほどの高さしかない小さなヤナギの、そのまたごく低い位置、膝くらいの高さにとまっていた。
たまたまかな と思ったが、撮った後でよく見ると右上の枝に齧り跡が。
みんながこぞって高い所を見上げている時などは、意外と灯台の下にクワガタが付いていたりする。
こうして魚眼で寄って撮れる、数少ない機会だ。
サイズはというと、これも50mm。
少し前に51mmという個体を見ているので、今年も昨年同様にヒメオオよりもアカアシの方がサイズを伸ばしてしまっているのが現状だ。
今年いつまでクワガタが出るか読み難いが、観察ポイント・樹種ともに既存の枠を少しずつ広げてみようと思っている。
2011年 9月18日、23日 宮城県。