おやつ吸引力

 やつの時間である。
 
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 前記事の続き、八木山動物園のアフリカゾウ
 
 午後になると 「 おやつの時間 」 として、来園者がゾウのメアリーにリンゴやニンジンをあげる事が出来る。
 この時はたまたま近くにいたので、おやつ係希望の列へ並んでみた。
 
 
 
 
 
 
 
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 お母さんと協力してリンゴをパス。
 
 こうして物怖じしない子も多いが、中には 「 怖いよー! 」 の絶叫を繰り返して終始泣いている子もいた。
 「 どうして? ゾウさんだよー、こわくないよ? 」
 と言われたって、怖いのだから仕方が無い。
 
 
 
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 ニンジンは竹の棒、リンゴは先の画像のように木製のフォークに刺して。
 
 長い鼻の全体もよく動き伸縮しているが、さらにその先端上縁の突起が物を探って掴み取る。
 人の手指のように器用で敏感なのだろうと思う。
 
 
 
 
 
 
 
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 巨獣メアリーと対峙。
 
 ゾウが大きいなどと言う事は二歳児以前からの常識としてわかっているつもりだったが、それはつもりでしかなかったかもしれない。
 生き物同士、こうやって間近で視線の高さを同じくすると、いよいよ相手の大きさが迫ってくる。
 
 泣いていた子も 「 ゾウさんだよー 」 と言われた所で、ゾウだからこそ巨大すぎて怖いので困ったろう。
 そうして怯えた泣き声の調子に合わせて伸び縮みし、子供の様子を見るかのような長い鼻の動きを眺めていると、何か小さいものが大きな自分に怯えているから優しくしよう といったような、ゾウの考える力が伺えるような気がする。
 
 
 
 
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 飼育員の方によると、度胸さえあれば手のひらから直におやつを渡しても宜しい との事。
 「 結構吸いますよ!」
 などと掃除機のセールスみたいな事を笑顔で言うので、連れの子が試しにリンゴを差し出すと、意志持つホースがゆっくりと伸びて来る。
 人もゾウも体は静止し、リンゴを掴んでその間を往復する鼻だけが存分に動き回ると言う光景。
 
 
 後でどうだったかと尋ねると、「 …確かに手のひら吸った!」 と上気して言うので、こちらも何だかわからないが楽しくなった。
 
 
 
 
                                        2013年2月  仙台市 八木山動物公園