巨躯は旧壁を崩す

 
 
 先の記事で強引に詳細を後回しにした、大きなヒメオオクワガタ。
 発見時に遠目から感じた見重りは、取り込んで手に取っても変わらず、他の大型個体を萎縮させるような別格の存在感を放っていた。
 
 
 
 
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 もともとヒメオオクワガタは胸部が広く、首が肩に埋まったような体型をしている種類だ。
 この 「 肩幅 」 が限界に達すると今度は頭幅が拡がり始め、特大個体は逆三角形の厳つい格好をしている。
 
 こんなものは、もうヒメが取れてオオクワガタでも良いのではないか。
 
 
 
 
 
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 先の記事で並んだ、当日のオス ビッグ3。
 大きな個体は単独でも大きく見えるが、他の個体と並ぶとサイズ偏差が際立つ。
 
 上が52mm(太い)、下が51mmで、中段左側がこの日の最大個体。
 
 
 
 
 
 
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 取りあえずノギスで挟んでみた、という程度の計測。
 アゴの開きや姿勢などピシッと決めると、54.5~55mmあたりに落ち着くのではないかと思う。
 
 
 
 これまでの自己ギネス個体は、やはり宮城県内で得たほぼ同寸の55mmだったが、あれは2007年とだいぶ前の話。
 自己採集二頭目で採れてしまったその個体が、それから四度の秋に渡り何百頭のヒメオオを見ても越え難い壁となって苦しめてくれたものだったが、ようやくにして救われた。
 
 今期はもうこれ一頭で気持ちのノルマを達成し、あとは読書と焼きサンマを堪能するばかり。
 強烈な喜びの超過分により、あと数年は心穏やかに微笑んで暮らせます  というくらいのものである。
 
 
 そのようなわけで、個人的にはこれを数年に一頭の大物 と言いたいところだが、昨年同じポイントでishiさんが採集された個体の方が幾分か大きいのだった。
 
 有名産地と較べて全体的に小さめで、52~53mmあれば大物 という宮城県の相場から考えても、この近辺はヒメオオクワガタの棲息・成長によほど適した場所なのだろう。
 
 
 
 
 
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 この場所のさらに良い所は、前にも少し触れた通り、低い場所に大きなヒメオオクワガタがつく事。
 
 最大個体を採集した後のルート上でも、何頭かにはずいぶん寄って撮らせてもらった。
 一記事あたりの容量の都合上、また次の記事で。
 
 
 
 
 
 
                                                  2012年 9月  宮城県