同形異紋

 
イメージ 1
 
 
 
 先にも書いていた通り、テントウムシを並べて見た。
 ずいぶん柄の種類が多いと見えるが、これらは全て同一種のナミテントウ
 キタカブリ採集の際に一本の木に集まっていたものの一部である。
 
 人で言うとABO式の血液型のような分かれ方になるのだろうか。
 
 
 
イメージ 2
 
 
 
 右の赤紋が減退したもの。
 
 こうした模様が左右非対称の個体もたまに見る事がある。
 
 
 
イメージ 3
 
 
 
 テントウムシの水玉と言うと赤地に黒点のイメージが強いので、たまにこういう黒地の赤マーブルに出会うとひどく格好良く見えてしまう。
 「モダンテントウ」 という趣。
 
 
 
イメージ 4
 
 
 
 無地の個体。
 頭胸部の黒紋も縮小している。
 
 黒赤まだらの集団の中に混じっていると、非常に目立つ。
 
 
 
イメージ 5
 
 
 
 見慣れない斑紋パターンで、ダンダラテントウなどの別種にも似た印象。
 
 鞘翅の柄をよく見ると、前半分には赤地に黒水玉(上の集合写真の上段左から三番目や下段左から二番目)が現れ、後半分は標準的な二紋型 という前後合成柄に思えるがどうだろうか。
 
 
 
イメージ 6
 
 
 
 こちらはカメノコテントウ。
 
 ナミテントウが思い思いの変異をするのに較べると規律正しいものだが、それでも色味や赤紋のエッジの切れ方などには差がある。
 大きさも随分違って見えるが、数字に直すと大小較べて1~2mmほどの差。
 
 もっとも、全体が12mmほどの生物の事であるから、この1~2mmを成人男性に換算すれば30cmほどの身長差という事になり、妥当な分布と言えそうだ。
 
 
 
イメージ 7
 
 
 
 集合性は強いようで、少し暖めると動き出し、また寒くなると一枚の葉に集まって動かなくなる。
 触るとピーマン臭く、この臭いでお互いが寄り集まっているものかと思うが、実際はどうなのだろう。
 
 
 
 
イメージ 8
 
 
 
 テントウムシの賑やかな柄を見ていると、なんとなくこういう物を思い出してしまう。
 同一単純な対称形に、様々な色柄 という所に、何だか黙っていられないような気になるのは、おそらく私だけではあるまい。
 
 じき仙台でも暖かくなり、生けるマーブルが野豆の蔓に登るだろう。
 
 
 
 
                                                  2012年 3月   宮城県