暖簾分け~引退か
藤次郎さん・K太君の二人と、マイマイカブリを見に前回出掛けたのは北。
散々苦労した挙句、藤次郎さんが青いキタカブリを採った。
それでは今度は南へ行こうと、最近私が見ている阿武隈川の左岸へ。
結論を急ぐと、私は採れなかった。 私は。
単独で深入りする日と条件違うしさ、などと言い訳しつつ崖から外道のオサムシをほじくっていると、そこへ藤次郎さんが道沿いから登ってくる。
「 いやあ、全然出ませんねえ 」
などと案内者の私が焦りながら半笑いで呼び掛けると、彼が応えて
「 いたいた、下の方いたよ 」
と事も無げに、採れたてのマイマイカブリを見せてくれる。
画像のマイマイカブリは全て藤次郎さん採集。
藤次郎さんは水棲生物に強い人だが、もともと生物全般に広く通じていて、虫を探すのも昔から。
ちょっとコツを伝えるとこの通り、初めて訪れた場所でもきっちりマイマイカブリを抑えて来てしまう。
私としては 「 良き生徒を得た。 」 と呟きつつ、あとは引退会見でもやるか、ぐらいの気持ちである。
前回もそうだったが、上翅にうっすら緑色が出た個体も稀に混じる。
藤次郎さんは 「 採れたけど、見た事あるような紫色ばかりで。 」 と仰っていたが、実はそうでもないのだ。
仙台の市街地、近所で採れたものと改めて比較してみると…