青に拘泥

 
 
 懲りもせず南へマイマイカブリを探しに。
 
 前回探し残した松林を、そのまま続けて調べる算段。
 自分の他には誰も入らない場所だから急ぐ事も無いのだけど、やはりこれまで得られた個体の色形を見ていると、何かまた違うフォームが現れるのではないかと気になってしまう。
 
 一応、既に歩いた区域も重ねて眺めておくが、やはり自分が探した後だけありハチしか出ず。
 道路を挟んで一つ隣の同じような松林に入ってみるが、こちらでは前回のように具合の良い伐材はそれほど見付からずに苦戦のスタート。
 
 ピッケルを突き立てるべき目標も無いまま体が冷えてきた頃、期待せずに皮を剥がした材からようやくオスのマイマイカブリが姿を見せた。
 
 
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 頭胸部の色味は青系。
 
 これなら近くに同じような色の個体がいるかもしれない、とまずその材を起こして裏返す。
 この間のように斜面を転がさないように注意しながら…。
 
 
 
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 下側に落ちた皮の上に、オスがもう一頭張り付いていた。
 さらに青みの強い個体。
 
 前回はせっかく綺麗な青いオスが上翅の伸展不全を抱えていたりしたのだが、この青いオス二頭で心境を逆転した。
 もう帰っても良いかな、という気になってくる。
 
 
 
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 光の方向により、青~紫のグラデーションが現れる。
 
 よく見ると、目に松林が映り込んでいる。
 マイマイカブリを探すには少し乾燥しすぎかと思われた区画だが、綺麗な個体が得られるならもう少し。
 引き返しがてら、立ち枯れや引っ掛かりの材を冷やかすと少しずつ追加が。
 
 
 
 
 1~2時間やってちょっと採れれば良いか と思っていたが、車へ戻り際に見付けた広葉樹の細い立ち枯れの隙間を拡げて割ってみると、そこからマイマイカブリの尻が4つ覗いた。
 急いでカメラを出したが、みなすぐに動き出してポロポロと足元に落ちてしまい、撮影どころではなくなってしまう。
 雰囲気だけ。
 
 これより少し上の樹皮をゴツい蔦ごと引き剥がすと、さらに2頭くっついていた。
 樹皮下の乾燥気味のフレークがバラバラと落ちてくるのを避けながら暗い隙間を見上げると、大きなメスが自分の足でノシノシと降りて来た。
 
 
 
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 帰ったばかりでまだ未クリーニングだが、とりあえず今回のマイマイカブリ
 泥の付き方で、最後の乾燥気味の立ち枯れから出た個体はおおよそ区別が付く。
 
 綺麗な青いオスの割合が多かったのが嬉しい。
 大きなメスは樹皮下の隙間から降りてきたのを見た時からデカいと思っていたが、こうして見てもやはり太っている。
 メスの並びの右端は、上翅にやや緑色を帯びているようにも見えるがどうか。
 
 
 
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 色味の強いオスは上翅まで鈍いブルーを帯びているようだが、まだ泥付きではっきりせず。
 これぞという個体は、いつもクリーニングを急ぎたくなってしまう。
 
 
 
                                    2012年 1月8日   宮城県 阿武隈川左岸。