キタカブリ境界

キタカブリ境界
2011/3/1(火) 午前 0:39
   
 
 田代島渡航を期すも石巻港からの定期船に置き去られ ( 単に乗り遅れた ) 結局島に渡り損ねたのは 先週木曜の事。
 
 港のターミナルでコロコロ転がっていた かわいいネコ一匹を撮って、さて どうしたものか。
 時刻は9:30、まだ一日は長い。
 目標を変更し石巻市内での探索に。
 
 山に入り、断崖沿いに引っかかるように残った 大き目の枯材を端から削ってみる。
  
 
 
 
 
イメージ 1

 
 材の折れ口から出てくるのはスズメバチ
 ちょっと材の条件が違うようだ。
 
 そこから小さな日陰の谷に入り、ここに転がった伐材の根などを削るが、クロナガオサムシが一頭出たのみ。
 枯れ方も悪くない材が数多く転がっている割に、なかなか目的のマイマイカブリは出て来ない。
 
 それでは大きく場所を変えよう と谷から這い上った所、ごく細い湿った材から出たのがこれ。
 
 
 
 
 
イメージ 2

 
 やや土化した部分から出たために背中が汚れているが、鞘翅は緑色。
 ここらはキタカブリの南限にあたり、程度に差はあるが緑色の綺麗なマイマイカブリが出てくるのである ( 当たれば )。
 
 こうして立派な体格のメスが出たのに気を良くしたが、次に見ようと思っていた場所の枯マツがすっかり刈られて無くなっていたりして良し悪し。
 
 
 それから山の反対側へ向かい、広い斜面に虫の入っていそうな立ち枯れを求めながら少しずつ移動する。
 低目の場所で少し湿り気味の材に目を付け、おもむろにピッケルを打ち込むと、
 
 
 
 
 
イメージ 3

 
 フカフカの屑が詰まった部屋の中から、マイマイカブリの尻が覗く。
 少しトンネルが続いていそう。
 
 
 
 
イメージ 4

 
 奥に別の個体の腹部が見える。
 仲間同士の臭いで集まるのか、条件の良い場所にはこうして複数のマイマイカブリが同居している事がある。
 
  
 その後しばらくは枯れ方、穴の開き方など、絵に描いたような見事な立ち枯れがいくつか見つかるものの、なぜかマイマイカブリは出て来ない。
 
 もう少し数を見たいものだと斜面をよじ登ると、樹種不明の妙な広葉樹の立ち枯れが一本目に付いた。
 
 言葉に表せるような理由は見付からず、わざわざ取り回しの面倒なザックを下ろしてまでチェックするほどの事は無かったのだが、どうしても何か気になって樹皮を剥がして見る。
 
 
 
 
 
イメージ 5

 
 剥がした樹皮の一枚下が全てフカフカの屑に置き換わっており、隙間に何か虫の脚が見えた。
 
 
 
 
 
イメージ 6

 
 大変綺麗なキタカブリが入っていた。
 木の皮を完全に剥がすと、そこにちょうど日が当たって虫体が美しく輝く。
 
 材の中から出てくるマイマイカブリは決まってこうしたフカフカに包まっているが、誰が材を細かくしてフカフカにするのだろうか。
 もちろんマイマイカブリが自分で齧る分もあるだろうけれど、それにしてはフカフカの量が大規模すぎる事も多いし、何より彼らの口器がそれほど材齧りに向いているとは思われない。
 
 
 綺麗な個体が一つ出たからもういいや という気分でいた私だが、ここで冗談交じりに割った材からマイマイカブリが一頭転がり出す。
 先にも述べたが、普通 人為的に綺麗に伐られた材からは何も出てこない事が多い。
 しかし普段出るはずの立ち枯れから出ない以上、逆に考えれば 普段出ない場所が当たる可能性は大きい。
 
 突然の閃きに逆上した私は そこらに転がしてある朽丸太を手当たり次第にブチ返し、裏側になっていた湿った箇所を狙う。
 
 
 
 
イメージ 7

 
 
 すると果たしてキタカブリが這い出して来るのであった。
 
 巨大コロニー というほどの事は無かったが、複数同居の部屋に幾つか当たる。
  
 
 まだ付近の材からは幾らかマイマイカブリが出そうだったが、バーサーカー的な無差別丸太起こしで非常に疲れたので やめ。
 
 戻りがてら、道沿いの材を削ると ここからもキタカブリが複数出たり、なぜかマツの枯材からスジクワガタが出たりしたが、掲載画像容量の都合上、とりあえず今回はここまで。
 
 
 
 
                                         2011年2月24日   宮城県石巻市。 
 
 
 
 
 旧ブログより↓
 
3枚目の画像、どんな感じで材に入り込んだか判るような感じに撮れてますね^^
北上川より向こうって、そんなに行く用事が無いのよね^^;
そろそろ梅も見頃を迎える場所もあるだろうし、フラッと行こうかな。
スジクワも気になりますね。よほど材がスポンジ化してたんでしょうか。
渡航も果たせていないわけですから、まだまだ楽しみは残ってますね^^
2011/3/1(火) 午前 1:17 gibachinamazu
 
 
キタカブリやはり綺麗ですね。
2011/3/1(火) 午後 11:46 ひさ@くわがた
 
 
義蜂さん、こんばんは。
やはり折れ口がガタガタになった所から侵入して、フカフカの中に入っている事が多いようですね。
スパッと切れてる材には少ない、と油断も出来ないんですが…。
北上川から北はほぼ全頭キタカブリ。
北上川から鳴瀬川あたりがキタカブリ~コアオマイマイへの移行地帯で、変異が大きく面白いようですね。
シーズンリミットまでに田代島をやっつけたいんですが、どうも巡り合わせが良くないんだよなあ。
2011/3/4(金) 午後 11:19 weaponshouwa
 
 
ひささん、こんばんは。
ホンマイマイは真っ黒、コアオなんかでも頭胸しか色が出ませんが、キタカブリはツートンが変化するので楽しいですね。
私としては キタカブリだからというよりも、境界上における緑色の揺らぎにこそ惹かれます。
2011/3/4(金) 午後 11:55 weaponshouwa