ヒメオオ残る

ヒメオオ残る
2010/9/30(木) 午後 11:49
 
   
 前日までの豪雨は止み、9月29日は晴れ。
 15日に続き、ヒメオオクワガタ探しに。
 
 山へ向かう途中、道路沿いの吹流しが水平になびくほどの強風が吹いていて、ドライブインで降りると、やや涼しすぎるようでもある。
 
 もう9月も終わり際で、相手は変温動物の昆虫。
 もう少し気温が上がらないとヒメオオは樹に登ってくれなそうだが、見上げる空は半晴半曇という所だ。
 
 
 本格的に標高を上げる前にちょっと手前のポイントに寄り、車道沿いの高いヤナギをチェックしてみる。
 ここは大きな個体がよく採れるのだ。
 不思議な事に、ここより高くても低くてもアカアシは小さくなってしまうようだ。
 どこでも数は変わらないのだが…。
 
 
 口を半開きにして高い枝を見上げるが、気温が上がらないせいかクワガタの姿が見つからない。
 首が痛くなって目線を下ろすと、目の前のヤナギの幹に黒い艶。
 
 
 
 
 
イメージ 1
 
 
 デカいヒメオオだ、と喜んでカメラを構えたが、相手は頭を揺らしながらどんどん幹を登って行ってしまう。
 枝先まで登られた挙句にポロッと落下されて見失う、という通例のシナリオが脳裏をよぎり、2枚だけ望遠で撮って急いで捕り込んだ。
 
 ケツが分厚くてヒメオオに見えたのだが、意外にもこれがアカアシクワガタだった。
 上翅に大きな傷があるものの立派な体格で、手に取った重さは大きなヒメオオと変わらないようだ。
 「これはデカいんじゃ…」
 と、Suさんの車に戻って測ってみる事に。
 
 私はノギスを持っていなかったので間に合わせの定規を当ててみると、45mmほどとそれほどでもない数字だった。
 デカく見えたけど一頭目だからサイズ感が狂ったのかな、と首を捻りながら標高を上げて先のポイントへ。
 
 
 
 次の場所は斜面から這い上がるようにヤナギが生えており、どの木も総じて若い低木。
 やや高い立ち位置で、斜面の下から伸びて来ているヤナギの梢部分についているクワガタを探す恰好になる。
 
 
 
 
 
イメージ 2
 
 
 高い所で木の又にいるペア。
 
 
 
 
 
 
イメージ 3
 
 
 こうして遠い位置のヒメオオを写真を撮らせてもらい、Suさんが7mの長竿で捕り込んで行く。
 下から伸びるヤナギを水平に見てヒメオオを探すのは妙な感じだ。
 
 
 少し離れた場所。
 斜面から張り出した数本の小さなヤナギに、たくさんのかじり跡がついていた。
 一見してクワガタの姿は無く、古い齧り痕だろうと思いきや。
  
 
 
 
イメージ 4

 
 
 ツタでグルグル巻きになって幹も枝も見えないような木の低い位置にもヒメオオクワガタ。
 その場にいないとちょっと感じが伝わらないかも知れないが、はっきり言って普通ヒメオオがついているようなシチュエーションではないので不思議。
 
 
 
 
 
 少し標高を落とし、先日訪れたポイントへ。
 
 Suさんが、前にクワガタが採れた木の位置をカーナビに登録してくれており、マップ上のチェックマークを一つずつ辿ってヤナギの木を見ていく。
 
 あるチェックマークで車を降りると、一見すると特に良い木も見当たらない。
 しばらく周囲を見渡すと、ヤナギだかどうかも微妙な広い葉っぱの木があって、ヒメオオのメスが幹に大きな穴を開けてかじり付いていた。
 
 この名前の知れないあやしい木は、サラダ記念日方式で 「Suの木」 と命名された。
 
 
 
 
 
イメージ 6
 
 
 前回見たような場所は全て廻り終えたが、せっかくなので所々で車を降りてヤナギの木を眺めると、案外ポツポツとクワガタの姿がある。
 
 
 
 
 
イメージ 5
 
 
 車を降りてすぐの所で見つけたもの。
 午後からは雲が他所に流れ、晴れて気温が上がったのに合わせてクワガタが木に登り始めたのかとも思う。
 
 
 
 
 
イメージ 7
 
 
 ポイントを去り際、Suさんがナビのルート上にチェックしていてくれた最後のマークの近くで木を揺らす。
 すると一揺すりにつきアカアシクワガタが一頭ずつ、ポロンポロンと音を立てて落ちてくる。
 
 Suさんは
 「 前はバラバラッと降って来たんだけどなあ 」
 と言うが、アカアシに縁の薄い身にはポロンポロンでも十分面白かった。
 見た所、他の木と変わった様子も特に無く、こういう 「良い木」 を見つける人には敬服するばかりだ。
 
 
 途中まではやたら涼しすぎるのに気を揉んだが、強かった風もどうにか止み、結局は数多くのクワガタを見る事が出来て良かった。
 傷の付いた個体が多く、メスの個体数が極端に少なかったので、今年のヒメオオ・アカアシ発生期の終わりはそれほど遠くなさそうだ。
 
 まあ、両種とも霜が降りる時期にも見られると言うので、天候が助けさえすれば10月でも観察可能かも知れない。
 
 今回は帰る途中、それから帰ってからも面白い事があったので、後の記事にもう少し続けたい。
 
 
 
                                             2010年9月29日   宮城県。 
 
 
 
 旧ブログより↓
 
こんばんは^^
私が初めてヒメオオ♂を採ったのは、腰くらいの高さのヤブみたいな所の木だったな…。
これぞヒメオオ、というセオリーのような木ではない木にも居ますしね。
時間をかけて探す機会があれば面白いクワガタですよね^^
私にはなかなか丸一日っていう行動時間が取り難いのですが…。
雪がチラついててもオープンカーでドライブしてソフトクリームを食べる。
私はそういう趣向です。(オープンカーは知人のものですが)
2010/10/1(金) 午前 0:49[ Sakazuki ]
 
 
まだクワガタが採れるんですね・・・
うちの方はどうなんだろう・・・
意外に誰も行かないから採れたら独占できますね(笑)
2010/10/1(金) 午前 8:29[ ひろ1号 ]
 
 
こんにちは。
あまり入られていない場所なんでしょうかね?
この数はなかなか見つけられないですよ~。
2010/10/1(金) 午後 0:13 ひさ@くわがた
 
 
Sakazukiさん、こんばんは。
低地でもごく小さなヤナギにミヤマやノコが付いている事がありますが、今回のように葉っぱガサガサの所にデカいヒメオオなんかいると、カルチャーショックというか…(それが52mmでした)。
もっと丁寧に探せば、状態次第で太い草本の茎にかじり付いている所も見られるかと思うんですが、今の所未発見です。
まあミヤマも花に来ていた事だし、そのうち変わった生態でも見られると面白いんですが。
ドライブインのソフトクリームってのは、どうしてあんなに魅力的なんでしょうね…。
2010/10/2(土) 午後 7:14 weaponshouwa
 
 
ひろ1号さん、こんばんは。
甲冑屋さんの採集記なんかを読むと、四国にもたくさんヒメオオいるみたいですね。
地域によって少しずつクセが違ったりするかもしれませんが、基本的には高い所のヤナギで採れるんじゃないかと思います。
宮城県でもそうですが、隣県の有名産地に採集者が集中するせいでノーマーク、という場所は多いんでしょうね。
2010/10/2(土) 午後 7:41 weaponshouwa
 
 
ひささん、こんばんは。
場所によって踏み跡があったりなかったり。
かなり意外な場所ながら、他にも知っている人は知ってるんだなあ、とか話してました。
本当に驚いたのは、直前に人が入ったのが明らかな状況でも僅かな気配を察知し、とんでもない所から見逃し分の個体を見つける玄人の勘ですね。
採集数やサイズの差って、この辺から出るのかなあと思い知りましたねえ…。
2010/10/2(土) 午後 8:05 weaponshouwa