ヤマカガシ

ヤマカガシ
2010/5/22(土) 午前 8:59
 
 沢に沿って歩いていると、何か変わった音がする。
 「チュウーッ…」という、何か吸い込むような細い音。
 
 耳を澄まして音の出所を詰めて行くと、水辺の杭にカエルがついている。
 卵でも産んでいるのかと思って近付くと
 
 
 
 
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 妙な音はカエルの悲鳴だった。
 右後足をヤマカガシに呑まれている。
 
 
 
 
 
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 水面すれすれの所から、体を曲げて這い上がってくる。
 それにしても、口の大きさから言って獲物のカエルは大きすぎはしないか。
 
 
 
 
 
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 そう思っているそばからアゴの関節を緩め、みるみるうちにカエルを飲み込もうとする。
 カエルも呑み込まれまいと、手近な草を掴んで抵抗。
 
 
 
 
 
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 水辺から少し離れて、嚥下に専念。
 しかし横に張り出したカエルの肘が引っ掛かっており、ここから奥に呑み込む事が出来ないようだ。
 
 
 
 
 
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 女子供に配慮して言うわけでもないのだが、この後ヤマカガシが大きく縦に口を開け、カエルは脱出したのである。
 咽喉の内側によほど良い蹴りが入ったか、大きすぎる獲物を諦めて吐き出したか。
 
 カエルは普段見る時と変わらないようなジャンプで一瞬にして元の沢に逃れ、平泳ぎで去っていった。
 諦めずにチャンスを窺っていたのだろう。
 
 これまでに見た、カエルを呑むアオダイショウやヤマカガシは、頭から食いついている事が多かった。
 ヤマカガシは今回のように尾端側から呑み込む事が多いようである。
 
 ライオンがインパラを食べるように噛み千切るわけではないので、毒性の弱いヤマカガシの場合、牙さえ外れれば獲物の逃れる機会もありそうだ。
 
 
                                 2010年5月17日  仙台市青葉区  台原森林公園
 
   
 旧ブログより↓
 
すごい写真が撮れましたね。
肘が引っかかったのが敗因でしょうか。
後ろの方に牙があるので、ここまで入っていれば毒牙も刺さっていそうなものですが、注入されなかったのでしょうか。
2010/5/22(土) 午前 10:58 ぽこ
 
 
ぽこさん、こんばんは。
いかに後牙類の奥まった毒牙といっても、ここまで飲んだら刺さってると思うんですよね。
カエルとの対比からもわかる通り、ごく幼い個体だったので毒が足りなかったのかもしれません。
また、効くまで10分ほど掛かる毒ですから、カエルが平泳ぎで逃げた先で苦しんでいた可能性もありますよね。
尻から喰い付き、奥の毒牙で動きを封じてから飲み込むというのがヤマカガシのセオリーなのかな。
2010/5/22(土) 午後 11:04 weaponshouwa
 
 
こんばんは^^
アゴが外れてからがすごいんですよね、蛇。
みるみる、んぐんぐ、呑み込んでいって。
これまでカエル、モグラ、ニワトリの卵が呑み込まれるところを見たことがあります。
卵の場合は、その周りをとぐろを巻いて囲って、卵を立てるんですよ。
で、上から呑み込みにかかる。後ほどスマートな形に変わって殻が吐き出されますが。
カエルは足から呑まれかかっている場面に結構出会います。
きっと蛇的には頭からか足からかは選択の余地が無いのかな。
噛んだとこ勝負って感じでしょうか。
2010/5/22(土) 午後 11:53 gibachinamazu
 
 
義蜂さん、こんにちは。
卵を飲む所って凄いですよね。ゴム手袋でも被せるようにズルズル入って。
卵立てたり殻吐いたり、生得的に悟ってるのは偉いよなあ。
モグラ食ってるのは見た事ないですね。地表に出た所を捕まったのかな。田んぼの端からカエルを掘り出すとか聞くけど…。
調べてみたら、どうも種ごとに飲み方の好みがあるようで、ヤマカガシは脚から飲む派らしいんですよね。
あくまで好みだから絶対ではないようですが、毒牙の造りなどと関係があるんじゃないかな。
2010/5/23(日) 午前 11:12 weaponshouwa
 
 
子供の頃まで無毒と言う話だったんですが。
以前、裏庭から泣き声が聞こえて「捨て子」とばかり思って見に行ったら、↑がトノサマガエルを呑む最中でした。
その時も後から食いついて足が引っかかり、まるで赤ん坊のような泣き声で助けを呼ぶかのようでした。
10分しても呑めなくてカエルがかわいそうになり、いけないかなと思いつつヘビの腹をぐにゅぐにゅ揉んで助けましたが、骨が折れたのかプラプラだったのを憶えています。先に入った片足は消化が始まっていたのかも知れません。
そういえば、無毒だった頃3回咬まれています。
2010/5/23(日) 午後 10:26 雷蔵
 
 
雷蔵さん、こんばんは。
ヤマカガシの有毒性が確認されたのって、比較的最近ですもんね。
まあ毒牙は奥だから、その筋の方は咬まれても絞って終わりだと聞きますが…。
飲まれかけたカエルは、悲痛な声を上げますよね。
トノサマガエルの悲鳴なら、相当な音量だろうなあ。捨て子と思うのも無理無いでしょう。
川赤子という妖怪がいますが、この辺が発祥なんじゃないかなどと考えてしまいますね。
2010/5/24(月) 午後 6:17 weaponshouwa