スミナガシ

スミナガシ
2010/3/9(火) 午前 3:31  
 
 
 
 私が子供の頃、祖母が言うには
 「県民の森でお弁当を食べてたら、群青色のチョウチョが飛んできて赤いくちばしを伸ばしていたよ。」
 
 それを聞いて 「図鑑で見たスミナガシじゃないかな」 と思い、長い事気になっていた。
 
 
 その後、祖母の話に聞いた利府町宮城県民の森には中学ぐらいから通うようになり、カラスアゲハやコムラサキを相手にネットを振り回すようになったが、スミナガシの姿はしばらく見なかった。
 
 初めて本種を見たのは高校に入ってから。
 8月の県民の森で、沢沿いのヤナギにとまって、ゆっくり翅を動かしながら吸汁するスミナガシを見つけた。
 遠目にも、口吻が真っ赤。
 昔話が現実になったようで、奇妙に嬉しかったのを覚えている。
 
 
 
 
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 同じ中型タテハチョウでも、キタテハやルリタテハクジャクチョウなどを町でも見かけるのに対し、スミナガシを近所で見ることは少ないようだ。
 幼虫が食べる草木の身近さの違いもあるだろうし、元々スミナガシが森の中を好んで飛んでいるようにも思う。
 
 
 
 
 
イメージ 2
 
 
 
 
 自分でよく見かける場所は太白山頂や利府などだが、いずれの産地でも、いる所で見ると本当に沢山いるのだ。
 少々住環境にうるさい種なのかも知れない。
 
 スミナガシの和名は、油面にたらした墨滴をゆっくり流して模様を造る技法「墨流し」に由来。
 
 大陸、東南アジアに広く分布し、地域ごとに少しずつ斑紋が異なってはいるが。
 このスミナガシという粋な名を、その翅の紋に最もよく顕しているのは、やはり日本の「墨流し」だろう。
 
 
 
 
                                   一枚目 2009.8.09  二枚目 2009.8.02
                                                いずれも宮城県内の水没林で。
 
 
 旧ブログより↓
 
ネーミングが渋いですね!
2010/3/9(火) 午前 4:26 誠道
 
 
こんばんは^^
何年前に見たっけかな、この蝶…。ここ最近は見てないですね。
派手というほどではないけど、ハッとする色味なんですよね。
今夏はライトだけではなく、足で動いていろんな昆虫に出会いたいですな、私は。
翅を広げて着地してしまう蝶の撮影角度は限られちゃいますな…。
2010/3/9(火) 午後 9:13 gibachinamazu
 
 
誠道さん、こんばんは。
近年の和名には、おっしゃるような渋さが欠けていて、やりきれなくなります。
アカデミックな所であまり目立った名前付けると、周りから睨まれたりするのかも知れませんが。
形態をそのまま読み上げたような名前は、やはり少し寂しいですね。
2010/3/9(火) 午後 9:57 weaponshouwa
 
 
義蜂さん、こんばんは。
スミナガシがいる場所は、クワガタのポイントとしても有望だと感じています。
どこ行ってもミヤマとワンセットみたいな印象なんですよね。
黒っぽく見えてた羽が突然青く光ったりして、薄暗さが似合ってる蝶だと思います。
春を待ってる所に今日の雪ですからね。3月のヒメギフは無理かな…。
幹にとまった所も、もっと見上げるように撮りたかったんですが、カメラ自体に厚みがあるのでなかなか。
今年は飛んでるチョウを止めて移す練習します。
2010/3/9(火) 午後 10:10 weaponshouwa
 
 
こちらも、不思議な羽の、ちょうちょですね。名前も由来が素敵です。
でも。。。何故、くちばしが赤いのでしょう?そのほうが、綺麗だから???
おばあちゃまとも、思い出が、蘇った様でしたでしょう?ぽち☆
2010/3/10(水) 午前 0:14 ポン母
 
 
このストロー、ここまで赤くなくとも良さそうなもんですけどねえ。
同じタテハチョウのコムラサキ(これも粋な名前です)なんかも、レモン色の目立つストローしてますが、何か理由でもあるのか。
一方で黒っぽい地味なストローの種類もいるし、ちょっとわからないですね。
初めて見た時は、おっしゃるとおり「おばあちゃん、いたよ!」と驚く事しきりでした。
2010/3/10(水) 午後 0:12 weaponshouwa
 
 
この不思議なチョウ、私はこれまでほとんど縁がなく遠目から一度目撃した程度です^^; 真っ赤な口吻はとても美しく印象的ですね~「墨流し」という和名は国産のチョウのなかで秀逸を極めていると思います^^
2010/3/10(水) 午後 0:14 ハル
 
 
ハルさん、こんにちは。
考えてみれば、見慣れたカブトムシやノコギリクワガタの名前も、「兜」「鋸」といった比喩から来てますし、単に鳴く虫でなく「鈴虫」と呼ぶセンスも、簡単なものじゃないと思います。
やっぱり昔の人のほうがカッコ良い名前をつけてたような気がしてしまいますね。
スミナガシの柄って、他のタテハチョウと全く趣向が違ってますよね。赤い口吻にしても、そう。
見るたび、「山に来たな」と思わされます。
2010/3/10(水) 午後 0:36 weaponshouwa