ウスバシロチョウ

ウスバシロチョウ
2009/6/10(水) 午前 2:04 
 
 
 
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 ウスバシロチョウも、じき終わりの時期だろう。
 
 利府ではメスが一頭、こちらも数が減ったヒメジョオンに来ていた。
 腹端には交尾付属物が見える。
 
 チョウとしては振る舞いが雑というか、葉や茎が混んだ所を脚を使って歩き回り、羽根が傷むのを意に介さない様子。
 あまり人を気にしないようだ。
 
 90年代には同地で大発生があり、利府の県民の森一帯にウスバシロチョウが溢れていた。
 大げさでなく、林の中の吹き溜まりには互いが空中でぶつかり合う程の個体数が舞っており、歩くと袖に数頭のウスバシロチョウがすがったものだ。
 天敵の少ない年だったのかも知れない。
 
 また、食草のムラサキケマンは毒を含むというが、ウスバシロチョウも幾らか毒性があるのだろうか。
 捕まえると、独特の匂いを感じる事がある。
 
 黒い個体や翅型・翅脈の変わったものも沢山見られた。
 よそでは著しい白化個体も存在するようで、羽根だけでなく、胴体や触覚まで真っ白という標本を見た事がある。
 
 本種を含む原始的なアゲハチョウの類は、変異型が多くて面白い。
 
 
 
                                             2009年 6月7日  宮城県利府町
 
 旧ブログより↓
 
 
こんばんは^^
原始的なアゲハって変異がいろいろあるのですかー^^
クワガタの体長差に伴うアゴの変異を思い出しました。
オオクワやヒメオオなどの先進的とか言われる種は変異が少ない。
ノコやミヤマなどの原始的とかいわれる種は変異が大きい。
でもまあ、大小並べれば連続性が見出せる程度の変異は既知ですが。
アルキデスヒラタの長短の歯は不可思議な部分もあるけれど…。
でもまあアゲハは体色というか何なのか、不連続的な変異ですよね。
原始的なものっていうのは、進化の過程では不安定位置なんでしょうかねぇ。
それ故に、今後の環境変化にも実は柔軟対応できる秘めたる力が存在する!
なんてことを考えてみたり^^
2009/6/10(水) 午後 11:51 gibachinamazu
 
 
 義蜂さん、こんばんは。
 
 ウスバシロチョウ、意外に不人気…。
 エリマキモンシロみたいな印象なのかな?
 
 未分化な種類が、より大きな可能性を秘めている、という事は確かだと思います。
 ギフチョウナミアゲハを較べてみると、チョウ自身の飛翔・拡散能力と、行った先の食草の分布頻度が違うんですよね、多分。
 
 原始的なアゲハは食性も原始的で、分布が局限される食草から離れられず、各集団が分離し小規模になりやすい。
 均一な大集団では埋もれてしまう変異が、隔離された集団内では残りやすくて。 
 赤紋が黄紋に置換されたり、縁毛が全て黄色になったり。
 
 何というか…島流しの個性的な個体から増えて分化した、離島のヒラタやノコのように。
 食草で隔てられた陸の孤島ごとに、ギフチョウなどの原始アゲハが小変異しているイメージですね。
 
 ナミアゲハが食うミカン科なんか山から庭まであり、遺伝的に行き来が頻繁すぎて個性派が台頭しづらい。
 これが孤島だと、例えばルソン島ナミアゲハが矮小なベンゲットアゲハに分化してたりします。
2009/6/11(木) 午前 1:06 weaponshouwa
 
 
 ミヤマクワガタは、分類学的に見て起源が古いと言いますよね。
 
 ただ、日本のミヤマ、ノコ、オオクワやコクワといった大型種たちは、島峡における各グループのエースとして、おおよそ等分に進歩した連中なんじゃないかとも思います。
 
 分化の進んだ、一方で変異の取り回しが重たい彼らにアクシデントが起き、その血が絶えると…
 
 遺伝子の揺り篭みたいな大陸に残った、ムカシミヤマやムシモンみたいなプレーンな連中が流れ込んで分化して。
 
 巨視的に見たら、こんな事を繰り返してるんじゃないかと想像してます。 
2009/6/11(木) 午前 1:07 weaponshouwa
 
 
こんな具合に翅が透けているんですね。
ウスバシロチョウギフチョウはこちらにいない分、今でも憧れのチョウです。
2009/6/13(土) 午前 10:35 雷蔵
 
 
 雷蔵さん、こんばんは。
 
 ウスバシロチョウの半透明の羽根、アゲハチョウとして見ると特異に思えます。
 
 これが、ウスバキチョウや大陸のウスバシロチョウ全体を眺めながら西に進むと、羽根に赤紋や黒状が現れ始め、ヨーロッパのタイスアゲハなどでアゲハチョウともウスバシロチョウともつかないような顔になります。
 
 このタイスアゲハあたりが、シボリアゲハ、ギフチョウウスバシロチョウといった、兄弟チョウというべき一群の原種に近そう。
 
 本種はプレーンで地味な柄ですが、日本に来て日本的に分化したチョウと思えば、愛着が湧くというものですね。
2009/6/14(日) 午後 9:52 weaponshouwa