秋 往かず

 
 ヒメオオクワガタという種類は、もともと遅出の傾向にある。
 もちろん夏にいないという訳ではなく、高所のブナ帯でオオクワガタを狙った灯火に飛来したりもするが、昼間ヤナギの木を見上げて というお馴染みのやり方で目にする個体数が増すのは、9月を過ぎてから。
 
 秋のスタートが遅れた(追い上げは急激だったが)今年などは、特に遅くまで活動していそうに思える。
 
 例年は10月第一週までで納竿というところを、もう少し延長して10月9日に山を見てみた。
 
 
 
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 それほど期待もせずにヤナギの木を見上げると、もうだいぶ涼しいと言うのにヒメオオクワガタがポツポツとついている。
 
 ただ大概は大きな木の高い所に付いており、写真にするには厳しい。
 証拠程度に と思い、少し撮ってきたものを以下に。
 
 
 
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 これも高い所。
 大きなハンノキの枝に齧り痕、よく見ると何か 向こう側から覗いているような…。
 
 
 
 
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 回り込んでみると、やはりヒメオオクワガタ。
 
 画像の周囲を削って、花札の柄にでもしてやりたいシルエット。
 
 
 
 
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 こちらはヤナギの木。
 背に陽を受けながら、ヒメオオクワガタがちょうど登っていくところ。
 
 ヒメオオクワガタが木を上るスピードは意外に早い。
 今年は何度も上り始めのヒメオオを観察したが、根際を這い出てから普段付いている枝先まで2分ほどで這い上がってしまう事が多いようだ。
 匂いなり何なり、彼らなりの目安があって、毎度同じ木の同じ箇所を齧っているような気がしてならない。
 
 
 
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 他よりは幾らか小さな木だったので、この個体を落としてみると48mmほど。
 
 目測でこれより大きな個体も見ているので、シーズン終盤でも案外と大きなものに当たるかもしれない。
 ishiさんなどは、ここに来て54mmという大物を含め一日で数十頭を観察しているという話だから、恐れ入ってしまう。
 
 
 13日には義蜂さんに誘って頂き、彼が昨年見出したという仙台市内のポイントを見せてもらったが、ここにも大きなものがいた。
 それほど街から離れた所でもなく、こんな所にいたのか…と呟かずにはおれず。
 
 何より10月半ばだというのに大型個体が複数ついているのだから、本当にやめ時を悩まずにはいられない。
 こちらは次の記事ででも紹介しよう。
 
 
 
                              2011年 10月9日  宮城県