PRISMATIC BUGS

PRISMATIC BUGS
2011/6/5(日) 午前 8:09
 
 
前回は湿地周りにスゲハムシを見たが、どうも風が強くて写真を撮りづらかった。
小さな虫は動かなくともピントを合わせづらく、これが歩き回りながら風で葉っぱごと揺れたりすると絶望的。

せっかく綺麗な虫なので、持ち帰って撮ってみる事に。

スゲハムシは歩いたり飛んだりして逃げ回るので、
「 ニッカウヰスキー シングルモルト 宮城峡 」
を染み込ませた綿を使い、虫が酔っ払った所で撮った。

 
イメージ 1


スゲハムシは酔うと腹面方向に脚を突っ張るようで、これはこれで撮りづらい…。

この個体は標準的な青色。
艶が非常に強め。
鞘翅の点刻が、小楯板寄りの一列だけ途中で途切れているのが見える。


 
イメージ 2


濃い青色の個体。

同じ青でも 体表のキューティクルの厚さで少しづつ波長が異なる。

 
 
イメージ 3


この個体はかなり緑色寄り。

色の波長が長くなるにつれ、紫→青→緑→黄 と体色が変化する。

 
イメージ 4
 
( 画像右下のアイコンで拡大↑)


完全に緑色の個体。

緑の葉の上で暮らすなら 緑色が目立ちづらくて多数を占めそうなものだが、実際に多いのは青や銅色で 緑色の個体は非常に少ないのが面白い。


 
イメージ 5


金銅色は良く見るが、特に金色の強いものを。

脚などには やや赤色が差し始めている。

 
イメージ 6


だいぶ波長が長くなって、赤色。

緑色ほど少なくないが、たまに見ると嬉しい。


 
イメージ 7


赤色が進んだものか、青色の果ての色なのか、紫色の個体。
野外では黒に近い色に見え、光を当てても吸い込んでしまい あまり輝かない。


ルリクワガタやキンイロクワガタ、カナブンなどの体色変異も幅広いものだが、それらが束になっても このスゲハムシには敵わない。


山の湿地で人知れず、生ける虹が色覚の設計図を公開している。



2011年6月1日   宮城県黒川郡  大和町。 
 
 
 
 旧ブログより↓
  
同じ種でも、これほどの色合いの違いとは!!
個人的にはコバルトブルーが良いな。 (ポチ)
2011/6/5(日) 午後 3:09 東北の温泉バカ
 
 
色は綺麗ですし、触覚や目なども格好良いですね。
もっと人気が出ても良さそう。
2011/6/5(日) 午後 5:09 ひさ@くわがた
 
 
この虫たちが、顔を向き合わせて放射状に並んで色相関図を形成していたら…。
というか、この虫の標本で、そんな感じのものを作ってみては?(笑)。
今日、少しだけサイカチ周辺を歩いて微細昆虫にもレンズ向けましたが、
僅かな風でピント甘甘ブレブレも起こって大変だったっす。
次は手ブレ補正搭載マクロレンズがターゲットかしらねぇ…。
2011/6/5(日) 午後 11:45 gibachinamazu
 
 
すごく様々な色合いを纏う虫なんですね。
アルコールで酔わせるなんて・・勉強になります。
人間もアルコールで赤くなったり、青くなったりしますが・・・^^
2011/6/6(月) 午後 1:04[ しんさん ]
 
 
こんばんは!
同一産地?凄い色彩変異ですね!
滋賀県南部のオオセンチ並ですね(^^)
形もなかなかで、魅力的です!
2011/6/8(水) 午後 9:33[ ひらさ ]
 
 
Kenさん、さらにこんばんは。
それほど奇抜な容貌ではなく、大きさもほぼ揃っている虫なんですが、色は目茶目茶なバリエーションを揃えています。
青い個体は数多く見掛けますが、もしこれが緑色くらい少なかったら血眼で探すでしょうねえ。
同じ青でも御覧のように色味が違います。
私も2頭目のような強烈な青に惹かれます。
眼に沁みる青、ですね。
2011/6/9(木) 午前 0:46 weaponshouwa
 
 
ひささん、おはようございます。
仰るとおり、色彩に重きを置き過ぎて他がおろそか という事ではないんですよね。
カミキリっぽい繊細さと堅牢な感じが同居していて、安っぽくない良い虫だと思います。
近所で長く出てくれると良いんですが、良い湿地は少ないですね。
2011/6/9(木) 午前 7:23 weaponshouwa
 
 
義蜂さん、おはようございます。
スゲハムシの色彩変異とクチクラ層の厚さの関係を説いた話を読んだ時に、色順に丸く並べた標本の写真が添えられていたのを見ました。
3桁も並べて大規模なものを造ったら見事でしょうね。
スゲハムシを3桁展足する甲斐性があれば…。
小さな虫が歩いたり、乗ってる葉が揺れたりするともういけませんね。
せめてとまっている虫ぐらいは一発で決めたいと思うんですが、なかなかどうも。
絞ってストロボと言うのも不自然だし。
NikonのDXには 85mm microというブレ補正の優秀なレンズがあるので、そのうち買い換えたいと思っています。
2011/6/9(木) 午前 7:33 weaponshouwa
 
 
しんさん、こんにちは。
色素由来ではなく光の干渉による構造色なので、個体ごとのクチクラ層の厚さの差だけで無段階の色変わりを見せてくれます。
酔わせて色を変えた訳じゃありませんからね…(笑)
昔は酒を麻酔にして手術したとか聞くので、虫にも効くだろうと思い付きでやってみましたが、動きは止まりますね。
ただ脚を突っ張ってしまうので、あまり格好良いポーズは望めないようです。
2011/6/10(金) 午後 4:33 weaponshouwa
 
 
ひらささん、こんにちは。
道沿い20mほどの範囲についていたものを並べてみました。
やはり銅色と青が大半で、他の色を見つけようと思うと骨が折れます。
西のオオセンチの変異は素晴らしいですよね。
こっちだと金華山のオオセンチがたくさん見られますが、あそこだと赤紫ばかりでそんなに楽しくないんですよねえ…。
2011/6/10(金) 午後 4:46 weaponshouwa