蜂雀 (ナミホウジャク)

 蜂雀 (ナミホウジャク)
2010/10/29(金) 午前 0:09
   
 
 今年最後にヒメオオクワガタを見た日。
 帰りには例によって、不思議おみやげ屋 「 大久商店 」 に寄った。
 
 駐車スペースの近くにはコスモスが植わっており、キアゲハが一頭ふわふわ飛んで吸蜜していた。
 
 
 
 
 
イメージ 1

 
 
 空中にいる所を撮ってやるから、もうちょっとふわふわ飛んでくれよ。
 と思ってファインダーを覗いていると、何かシュッと視界をよぎる物があった。
 
 
 
 
 
 
イメージ 2

 
 
 やたら素早く移動する。
 昼行性のスズメガの類だ。
 
 空中に停止し、口吻を伸ばして花の蜜を吸う。
 
 
 
 
 
 
イメージ 3

 
 
 完全な空中停止を可能にしている羽ばたきの回数は、秒間数十回と超高速。
 耳を寄せると 「 フー…ン 」 という羽音。
 この辺の特徴は、南米の ハミングバード = ハチドリ と似ている。
 
 そもそもこの類のガには 「ホウジャク」 のグループ名が与えられており、これを漢字で書けば 「蜂雀」。
 
 予備知識無しにこのガの姿を見た人が
 「日本にもハチドリがいた」
 と騒ぐ事は毎シーズンよくあるが、もとより似た者に同義の名が与えられているのであり、無理もない事だろう。
 
 
 
 
イメージ 4

 
 
 似た暮らしから似た機能を獲得した結果、全く無関係の生き物同士の形態が似通ってしまう事を収斂と言い、鳥とコウモリ、大型回遊魚とイルカなどは好例だ。
 
 ホシホウジャク、ヒメクロホウジャクなど、近所だけでも数種が分布する本グループの中で、この画像の個体の種名は「ホウジャク」。
 ○○ホウジャク ではなく、本家ホウジャク Macroglossum stellatarum である。
 
 他のホウジャクのように腹部にはっきりした縞模様が入らず、停まった画像を見ると、ムクムクした灰色の小熊が飛んでいるようだ。
 後翅のオレンジ色も同類他種に比べて広く美しいが、超高速で回転する羽の色はなかなか写らない。
 
 
 
                                             2010年10月8日   宮城県。 
 
 
 
 旧ブログより↓
 
本家ホウジャク、初めて見ました。
この翅を完全に止めるのは至難の業ですね。
僕もこの夏に何度かこの仲間を撮りましたが、1/3200でも翅の先が流れてしまいました^^;。
夜のデカいスズメガ達もやはりこんな風にホバリングしながら吸蜜しているのでしょうかね?
昼間よく寝ているのを見る鈍重そうな彼らがこんな風に飛ぶ姿を何だか想像出来ないです。
2010/10/29(金) 午前 3:10[ Dobo ]
 
 
そういえば子供の頃よく見かけました。
最近は見たことないです。危惧種なんですか??
2010/10/29(金) 午前 4:58 誠道
 
 
こんにちは、訪問ありがとうございます。
あおぞらの友だちもハチドリを見たと言いました。
そう見えますよね。ちょっと目には。
きれいに撮ってますね。ポチ!
2010/10/29(金) 午後 6:48 あおぞら
 
 
こんばんは^^
子供の頃、私はこの蛾を知った後に鳥を知ったので…。
ハチドリをTVで観た時に「なんじゃこの蛾みたいな鳥は」と思いましたね^^;
色はチョウみたいで美しいハチドリの仲間。世界最小の鳥もハチドリの類でしたよね。
画像で見ると、空中給油中の戦闘機みたいなガですな。
2010/10/29(金) 午後 8:10[ Sakazuki ]
 
 
スズメガというよりハチドリと言いたいですネ!
でも、あの色彩と光沢がないので、やはり“ガ”
と言われてしまうんでしょうね。
2010/10/29(金) 午後 9:15 東北の温泉バカ
 
 
石垣島でハチドリ見たいの見ました。
日本にいないそうなので、やはりスズメガの仲間なのですね。
最後の画像、触覚が無くてくちばしがあれば鳥ですね。
2010/10/29(金) 午後 10:51 ひさ@くわがた
 
 
Doboさん、こんばんは。
その名も「ホウジャク」ですから本家だろう、という話でした。
裸のグループ名を名前に持つ種類って、案外少ないですよね。
羽根の動きの早い連中は、シャッターを早く閉じるよりも、暗い所で早いストロボによって焼き付けてしまう方が手っ取り早いような気がします。
1/200秒まででもある程度はイケましたが、スズメガ相手に本気で試してないからなあ…。
夜にクワガタを探して森を歩いたら、あのデカいスズメガの類がホバリングしながら樹液に口吻を突っ込みに来ていたんですよね。
匂いを頼りに飛んできて、よくも樹液の真正面に空中停止できるものだと感心しました。
夜にあれだけ目が利くと、昼は寝ているしかないんだろうな。
それとも、コウモリみたいに超音波のソナーでも持っているのかな?
2010/10/30(土) 午前 3:05 weaponshouwa
 
 
誠道さん、こんばんは。
私も近年ホウジャクを見る機会が減ったと思っていたんですが、クワガタ狙いのみで夏以降に出歩かない事も原因だったようですね。
晩夏以降にも外に出た今年は、案外多くのホウジャクの姿が目に止まりました。
街でも見られますが、ホウジャクが来てくれる公園や花壇が減っているからなあ…。
2010/10/30(土) 午前 3:20 weaponshouwa
 
 
あおぞらさん、こんばんは。
挙動が酷似している上に、一方のモデルであるハチドリの実物は日本にいませんからね。
花に来て綺麗なホバリングする姿を一般の方が見たら、ハチドリだと思ってしまうのも自然な話なんですよね。
きちんと羽根が停止した写真を撮ろうと思っているうちに、冬が来てしまいました。
2010/10/30(土) 午前 3:36 weaponshouwa
 
 
Sakazukiさん、こんばんは。
我々が子供の頃に、エンドーチェーン上方階の催事場で毎年開催されていた展覧会。
南米の風物を扱った年だったか、世界の鳥類を集めた年か、いずれかの機会にハチドリの標本コレクションが出品されていました。
あまりに小さく、あまりに強く輝いていて驚きましたね。
嘴の形も花に合わせて長く伸びたり曲がったり。
マダガスカルのキサントパンスズメを見た時には、ハチドリの嘴を
思い出したものです。
空中給油機とスタイルは一緒ですね。
ノズルで足すんじゃなくて、自分が吸ってますけど…。
2010/10/30(土) 午前 4:40 weaponshouwa
 
 
Kenさん、こんばんは。
東南アジアにはクマバチそっくりに擬態したクマバチモドキというガがいて、確かホウジャクに近いんじゃなかったかな?
給水に来る所なんか、ほとんど見分けが付かないらしいですね。
海外のどこかに、輝くスズメガがいてもおかしくないと思うんですけどねえ。
ハチドリは視覚で、ホウジャクは嗅覚で仲間を見分けているという事なのかも知れませんね。
2010/10/30(土) 午前 4:48 weaponshouwa
 
 
ひささん、こんばんは。
いかに八重山といっても、さすがにハチドリはいないはずですよね(いたら楽しいでしょうけど)。
南のほうに行くと、オオスカシバと同時にリュウキュウオオスカシバ(色違い)がいるみたいです。
ライトに来るガの顔ぶれも変わるでしょうし、南で灯火やったら面白そうですね。
2010/10/30(土) 午前 4:56 weaponshouwa